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Cロナ 闘病少年に勇気と寄付 呪いに勝てなかったが…

[ 2014年6月28日 05:30 ]

<ポルトガル・ガーナ>後半、ゴール前で倒されるポルトガルのC・ロナウド

W杯1次リーグG組 ポルトガル2―1ガーナ

(6月26日 ブラジリア)
 「バロンドールの呪い」なのか。昨年の世界最優秀選手FWクリスティアーノ・ロナウド(29=Rマドリード)が早くも姿を消した。G組のポルトガルはC・ロナウドが決勝点を決めて2―1でガーナを破り今大会初勝利を挙げたが、勝ち点4で並ぶ米国に得失点差で3点及ばず1次リーグで敗退した。ドイツはFWトーマス・ミュラー(24=バイエルンM)の得点で1―0で米国を下し1位通過した。決勝トーナメントは28日(日本時間29日)に始まる。
【試合結果 G組勝敗表 決勝T日程】

 ガッツポーズも、笑顔もなかった。1―1の後半35分、ナニのクロスに走り込むと、GKがパンチングしたこぼれ球が目の前に転がった。クリスティアーノ・ロナウドは左足でゴールに蹴り込んだ。自身大会初得点であり母国に初勝利を呼ぶ決勝点。それでもこみ上げるのは無力感だった。

 「ドイツが1―0で勝った場合、4点を取らなければいけないと分かっていた。全力は尽くしたが、駄目だった」。米国に得失点差で及ばず3大会ぶりの1次リーグ敗退。落胆は明らかだった。

 呪われたW杯になった。13年バロンドール(世界最優秀選手)を受賞。欧州CLで大会新記録の17得点を挙げてRマドリードを優勝に導いた。スペイン・リーグでも30試合31ゴールで得点王。最高のシーズンを終えてブラジルに乗り込んだ。

 ところが大会前に左膝痛を発症。真偽は定かでないが、ガーナの呪術師が負傷するよう呪いをかけたと公言した。負傷で本来の切れは消え、前年バロンドール受賞者はW杯で優勝できないという「バロンドールの呪い」も払しょくできなかった。

 痛む左膝にテーピングを施してプレー。チーム最多9本のシュートを放ち、7本を枠内に納めた。しかしGKとの1対1を外した後半46分をはじめ4度も決定的場面を迎えながら、いつもの決定力を欠き「チャンスはつくったのに決められなかった」とうつむいた。

 自身3度目のW杯は不完全燃焼で終戦。ただ何も残さなかったわけではない。米国戦で見せた右側頭部にジグザグのラインを入れた髪形が話題になった。英紙デーリー・メール電子版などによると、手術痕を連想させるヘアスタイルは、2月に脳疾患の手術を受けて療養中のスペイン人のエリックくん(1)を勇気づけるためのものとみられている。本人はコメントしていないが、3月にはエリックくんを支援する団体の活動に感銘を受けたC・ロナウドが手術費用など医療費全額5万ポンド(約865万円)を寄付したと報じられた。

 「これもサッカー。顔を上げて帰るよ」と結果を受け入れたC・ロナウド。主役候補がまた一人、舞台を降りた。

 【Cロナ過去のW杯】

 ☆06年ドイツ大会 21歳で初出場。7試合中6試合に先発(フル出場4試合)して1次リーグ・イラン戦W杯初ゴール(PK)。チームは準決勝でフランスに0―1で敗戦。3位決定戦ではドイツに敗れて4位。

 ☆10年南アフリカ大会 主将としてけん引。全4試合にフル出場した。7―0で快勝した1次リーグ北朝鮮戦ではチーム6点目を決めた。チームは決勝トーナメント1回戦で優勝国スペインに0―1で敗れた。

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