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Cロナウド 同点アシストも「W杯で優勝する夢は幻だった」

[ 2014年6月24日 05:30 ]

<ポルトガル・米国>険しい表情のC・ロナウド(AP)

W杯ブラジル大会1次リーグG組 ポルトガル2―2米国

(6月22日 マナウス)
 エースが意地の同点アシストだ。G組のポルトガルは米国と2―2で引き分けた。1―2の終了間際にFWクリスティアーノ・ロナウド(29=Rマドリード)のクロスからFWシルベストレ・バレラ(29=ポルト)がゴールを決めて追いついた。勝ち点1を確保し1次リーグ突破の可能性をわずかながら残した。H組のベルギーは19歳のディボク・オリジ(リール)のゴールで1―0でロシアに勝った。

 完璧な軌道だった。1―2の後半50分。右サイドでパスを受けたC・ロナウドはゴール前の状況を確認し右足でクロスを上げた。ボールは弧を描きながら相手DF3人の鼻先を通過。走り込んだバレラの頭にピンポイントで着弾。終了の笛が鳴る直前のラストプレーでエースが敗戦を免れる同点アシストを決めた。

 それでも笑顔はなかった。勝ち点1を得たとはいえ、第3戦でガーナに勝ってもドイツと米国が引き分ければ敗退が決まる厳しい立場。「なぜ勝てなかったのか分からない。ポルトガルがW杯で優勝するという夢は幻だったんだ」と沈痛な表情でピッチを去った。

 前年のバロンドール(世界最優秀選手)受賞者はW杯で活躍できないという「バロンドールの呪い」なのか。「私が呪いをかけた」と公言したガーナの呪術師「ナナ・クワク・ボンサム(水曜日の悪魔)」のせいなのか。不運が付きまとう。

 左太腿の筋肉損傷と左膝の膝蓋(しつがい)腱炎症を抱えたまま臨んだ初戦はドイツに0―4で大敗。左膝の負傷を悪化させ、18日の練習ではスタッフの助けを借りなければ立ち上がれないほどで医師から「2カ月間の完全休養が必要」と忠告されたとの情報もある。

 ベント監督は「問題があるようには見えなかった」と擁護したが、米国戦も本調子ではなかった。3トップの左で先発したものの中央でプレーする時間が多く得意のドリブル突破は影を潜め、両チーム最多のシュート7本は全て空砲。髪形を変えて臨んだ気合も空回りした。チームはナニのゴールで先制しながらペペを欠くDF陣が不安定で逆転を許した。最後の最後に追いついたが、喜べる内容ではなかった。

 21歳で初出場した06年ドイツ大会は4強、10年南アフリカ大会は16強。3大会連続決勝トーナメント進出に向けてC・ロナウドは「数字上は可能だが、ほとんど不可能な作業だと分かっている。でも、サッカーでは何が起こるか分からない」と自らに言い聞かせるように力を込めた。

 ▼G組の行方 最終戦は勝ち点4で並ぶ首位ドイツと2位米国、勝ち点1で並ぶ3位ガーナと4位ポルトガルが対戦。ドイツ―米国戦が引き分けの場合、または同カードが決着がついてもガーナ―ポルトガル戦が引き分けの場合はそのままドイツ、米国が決勝トーナメント進出となる。ガーナとポルトガルは勝利したチームにだけ可能性が残る。その上でドイツ―米国戦での敗者に得失点差、総得点などの争いで上回るしか1次リーグ突破の道はない。

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2014年6月24日のニュース