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初戦でミス、メンタル不安なロシアGK 戦術家の指揮官采配が見もの

[ 2014年6月22日 13:15 ]

シュートを捕り損ね、先制ゴールを許すロシア代表のアキンフェエフ(AP)

W杯1次リーグH組 ベルギー―ロシア

(6月22日 リオデジャネイロ)
 サッカーワールドカップ(W杯)第11日の22日(日本時間23日)の注目は1次リーグH組のベルギー―ロシア。ともに決勝トーナメント進出へ落とせない戦い、サッカージャーナリスト粕谷秀樹氏に展望を聞いた。

 ロシア代表は、GKアキンフェエフの精神状態が問題だ。初戦の韓国戦で正面に飛んできたシュートをファンブルして失点。性格的に後に引きずるタイプなため、中4日で迎えるベルギー戦までに、平常心を取り戻せるとは思えない。また、試合会場のリオデネジャネイロの6月は、平均気温セ氏25・2度。今大会のヨーロッパ勢を苦しめる気候条件は、チーム全員が自国リーグでプレーするロシアにとって大きなハンデだ。

 一方、ベルギーも初戦のアルジェリア戦は苦しんだ。2―1の逆転勝利を収めたものの、攻守ともに連係はギクシャクし、個人の力による3ポイントといって差し支えない。さらに、左サイドバックのフェルトンゲンは状況を考えずにラインを上げるため、背後に広大なスペースが提供していた。コンパニー以外のセンターバックが力量不足であることも、地区予選よりも深刻だった。

 ロシア代表のカペッロ監督は、自他ともに認める戦術家だ。ベルギーの弱点は分析しているだろう。フェルトンヘンの背後をサメドフが突き、最終ラインのバランスを崩しつつ、じわじわと攻略する……。

 冒頭で挙げたアキンフェエフのメンタル、リオデジャネイロの気象条件は気になるが、ワールドカップではベンチワークも勝敗のポイントだ。カペッロ監督はクラブレベルでも実績がある。ベルギーのウィルモッツ監督は初のビッグステージだ。両指揮官の采配が、勝敗を左右するに違いない。

 ◇粕谷秀樹(かすや・ひでき) 東京都・下北沢生まれ。「日本スポーツ企画出版社」にて週刊サッカーダイジェスト副編集長、月刊(後に月二回刊)ワールドサッカーダイジェスト初代編集長、同社の編集局次長などを経て、2001年に独立。現在は「スカイパーフェクTV!」、「Jスポーツ」などで、欧州チャンピオンズリーグ、プレミアリーグの解説者として活躍中。

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