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緊急会談!原専務理事 ザック迷走采配に異例の“ダメ出し”

[ 2014年6月22日 05:30 ]

日本サッカー協会の原専務理事(左)とザッケローニ監督

W杯1次リーグC組 日本―コロンビア

(6月24日 クイアバ)
 迷走の続くザック采配にとうとうメスが入った。日本協会の原博実専務理事(55)がアルベルト・ザッケローニ監督(61)とギリシャ戦(19日=日本時間20日)後、緊急会談を行い、終盤のパワープレーなどを“ダメ出し”。W杯1次リーグ2試合を終えて1分け1敗で自力での決勝トーナメント進出は消滅したが、最終戦コロンビア戦(24日=日本時間25日)へ向け、異例とも言える“介入”で立て直しが図られた。
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 強化責任者として4年間、ザッケローニ監督の手腕を尊重してきた原専務理事も黙ってはいられなかった。緊急会談が行われたのはギリシャと引き分けた後。キャンプ地イトゥに戻ってきた原専務理事は「ここまでのこととか、スタンドから見て感じたことを話した。監督にも僕が思ったことは言った」と話し合いの一端を明かした。

 10人の相手を崩しきれず、さらに交代枠を余らせたギリシャ戦。「個々の良さが出ていない。チームとしてのコンビネーションが微妙にずれていたり距離感が合っていない」と厳しい評価を下した。2試合を終え1次リーグ突破が厳しくなった状況で、中でも疑問視したのが終盤のパワープレーだ。コートジボワール戦も含めて2試合連続で1メートル89のDF吉田を最前列に上げて空中戦を挑んだが、不発。試合後ある主力選手が「手っ取り早い方法だと思うけどパワープレーは紙一重。逆にセカンドボールを拾われて時間を使われることもある」と話すなど、一度も練習したことのない戦術、采配に選手は戸惑い、不信を感じている。

 原専務理事は選手個々とも話し合ったといい、その意見を吸い上げた上で「最後は監督が判断することだけど、このチームには合っていない。違う方策を模索するべき。やり方を変えるのではなく、今までの戦術の確認や選手の組み合わせが大事になってくる」と指揮官に注文した。ザッケローニ監督に対しては変わらぬ信頼を寄せていることを強調したが、ピッチ内の全権を握る監督に対してW杯の真っ最中に協会幹部が介入すること自体が異例。チームの根幹は大きく揺らいでいる。

 出場32カ国となった98年フランス大会以降、初戦で敗れた46チーム中、2戦目を引き分けながら決勝トーナメントへ進出できたのは02年のトルコだけしかない。今回、原専務理事は禁断の一手ともいうべき行動で立て直しを図った。「生活パターンや練習の準備も含めて、コロンビア戦へ向けてやれることをやっていきたい。この3日間で一番良いチームにしたい」。日本サッカー史上最大の逆転劇へ向けての荒療治。もう一度、自分たちの足元を見直せるかどうか。チームが同じ方向を目指すことが逆襲への第一歩となる。

 ≪ザック迷走采配≫コートジボワール戦では後半9分、長谷部に代えて遠藤を投入したが、この交代で劣勢に。その後、1トップを大迫から大久保に交代するなど動いたが、20分足らずの間に1トップがコロコロ入れ替わり選手は混乱した。終盤には吉田を前線に上げて練習していないパワープレーを敢行したが機能しなかった。ギリシャ戦では香川を先発から外し、右サイドの岡崎を左に回し、大久保を右に入れたが不発。後半40分すぎには再びパワープレーを指示。得点が必要にもかかわらず、交代枠を1つ残して終了するなど積極性にも欠けた。

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