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イタリアも食った!コスタリカ 死の組“下克上”突破!

[ 2014年6月22日 05:30 ]

決勝トーナメント進出を決め、輪になって喜ぶコスタリカイレブン

W杯1次リーグD組 コスタリカ1―0イタリア

(6月19日 レシフェ)
 旋風が止まらない。D組のコスタリカがイタリアを1―0で破る番狂わせで2連勝し、決勝トーナメント進出を決めた。前半終了間際にFWブライアン・ルイス(28=PSV)が頭で決めて先制。その1点を最後まで守り抜き、24年ぶり2度目の1次リーグ突破を果たした。過去4度優勝のイタリアは、勝ち点3で並ぶ前回4位のウルグアイと最終戦で突破を争う。イングランドは敗退が決まった。 
【試合結果 D組日程&勝敗表】

 誰がこの大番狂わせを予想しただろうか。コスタリカの下克上を告げる終了の笛が鳴ると、ピッチ上もスタンドも優勝が決まったかのような大騒ぎ。選手はユニホームを脱ぎ捨てて抱き合い、唯一の得点をアシストしたディアスはその場でうずくまり、号泣した。

 イタリア、ウルグアイ、イングランドとW杯史上初めて優勝経験のある3チームがそろった「死の組」で“1弱”とされたが、2戦連続の大物食いで1次リーグを真っ先に突破。今大会最大のサプライズを起こしたピント監督は「まだ試合は残っているが、今は喜びに浸りたい」と何度もガッツポーズを繰り返した。

 3―1で逆転勝ちした初戦のウルグアイ戦に続き、格上のイタリア相手に堅守速攻を貫いた。均衡を破ったのは前半44分。カウンターから左サイドバックのディアスのクロスに主将ルイスが飛び込み、頭で得点した。バーに当たって落下し、ラインを割ったかどうか微妙に見えたが、新技術のゴールライン・テクノロジー(GLT)によって主審はすぐにゴールと告げた。

 その虎の子の1点を5バックを中心に組織的守備で守り抜いた。イタリアの司令塔ピルロがボールを持つと数人で取り囲む。1メートル89のバロテッリは1メートル92のゴンサレスら対人プレーに強いDFがマーク。5人が連係した最終ラインは積極的な押し上げで11回のオフサイドを奪った。

 90年イタリア大会以来となる2度目の16強進出。くしくも歓喜の瞬間は24年前と同じ6月20日に訪れた。ルイスは「死のグループとなり、多くの人々は我々を信頼しなかった。しかし、死ぬことになったのは他のチームだ!」と胸を張る。大会直前の親善試合で日本に1―3で敗れた姿はもうない。次のイングランド戦で、引き分け以上で首位通過が決定。日本がC組2位で突破を果たせば、決勝トーナメント1回戦で再戦が実現することになる。

 ◆コスタリカ共和国 中央アメリカ南部に位置する共和制国家。首都はサンホセ。スペインの植民地時代があり公用語はスペイン語。コスタリカは「豊かな海岸」の意。チリやウルグアイとともにラテンアメリカで最も長い民主主義の伝統を持つ。食文化はトウモロコシ文化圏で米、豆、トルティーヤなどが主食。主な輸出品はコーヒーとバナナ。人口は約458万人(08年)。通貨はコスタリカ・コロンで1コロンは約0・184円。

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