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ともに初戦黒星イングランド―ウルグアイ 復帰スアレスは動き狡猾

[ 2014年6月19日 13:15 ]

ウルグアイのFWルイス・スアレス(AP)

W杯1次リーグD組 イングランド―ウルグアイ

(6月19日 サンパウロ)
 サッカーワールドカップ(W杯)第8日の19日(日本時間20日)の注目は日本戦のほかにも1次リーグD組のイングランド―ウルグアイ。ともに初戦を落としており、負けられない一戦となる。サッカージャーナリスト粕谷秀樹氏に展望を聞いた。

 大会前の練習中に膝を痛め、戦列を離れていたスアレスがようやくフィット。イングランド戦で復帰する公算が大きくなってきた。13―14シーズンのプレミアリーグで得点王に輝いた彼は、イングランドDF陣の弱点を熟知している。とくにセンターバックのカーヒル、ジャギエルカは前後左右の揺さぶりにもろく、緩急の対応も得意としていないため、スアレスにすれば“おいしい”タイプである。

 さらに彼の狡猾(こうかつ)な動きはカバーニを刺激し、想定外の敗北を喫したコスタリカ戦で活用できなかったバイタルエリアに、プラスの変化をもたらすのではないだろうか。

 しかし、ウルグアイのセンターバックも動きは芳しくなかった。なかでもゴディンは所属するA・マドリーがチャンピオンズリーグ決勝まで進出したため、シーズン中の疲労をためたままワールドカップに臨んだようだ。コンディションは低レベルで、高温多湿の気候もダメージの蓄積を招いている。

 従って、ウルグアイも失点を覚悟しなければならない。イングランドはスターリング、スターリッジがシーズン中の好調を維持しており、切れ味を欠いたウルグアイDF陣にとっては厄介な存在だ。ジェラードの高速パスも要注意だ。

 とはいえ、イングランドはいつの世も個人の技量に依存してきた。今大会で3度目のワールドカップとなるルーニーは、依然として無得点。国内のメディアも全責任を彼に押しつけようとしている。個人攻撃は、なんの解決も見いだせない。(サッカージャーナリスト粕谷秀樹)

 ◇粕谷秀樹(かすや・ひでき) 東京都・下北沢生まれ。「日本スポーツ企画出版社」にて週刊サッカーダイジェスト副編集長、月刊(後に月二回刊)ワールドサッカーダイジェスト初代編集長、同社の編集局次長などを経て、2001年に独立。現在は「スカイパーフェクTV!」、「Jスポーツ」などで、欧州チャンピオンズリーグ、プレミアリーグの解説者として活躍中。

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