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大久保 先発へ!念願1トップ「裏に抜ける動きどんどん」

[ 2014年6月19日 05:30 ]

練習でボールをパンチする大久保

W杯1次リーグC組 日本―ギリシャ

(6月19日 ナタル)
 勝ち点3へ大久保が先発だ。日本代表は19日(日本時間20日)、エスタディオ・ドス・ドゥナスで1次リーグ第2戦のギリシャ戦を行う。決勝トーナメント進出へ崖っ縁の一戦で、FW大久保嘉人(32=川崎F)が1トップで先発することが濃厚となった。所属クラブの定位置である最も得意とするポジションで、6日の親善試合ザンビア戦以来のゴールを狙う。チームは18日に決戦の舞台となるナタルに移動した。

 負けは許されない。崖っ縁の一戦が2日後に迫り、大久保が救世主に指名された。冒頭15分を除き非公開で行われた17日の練習。関係者によると、本番を想定したゲーム形式で大久保が主力組の1トップに入ったという。試合前日の公式練習はセットプレーの最終確認と、フットバレーなどのリラックスメニューで切り上げることが多く、この日のメンバーがギリシャ戦の先発になる可能性が高い。

 ついに理想の役割が与えられた。大久保は「非公開だから練習内容は言えない」とした上で「裏に抜ける動きをどんどんやりたい」とイメージを膨らませた。前線ならどこでもこなすが、最も得意とするのが1トップ。W杯メンバーに選出後は2列目が主戦場で、最前線に入ったのは後半13分から途中出場した5月27日キプロス戦と、コートジボワール戦の途中出場後の約5分間だけ。常に「1回でいいからやらしてほしい」と1トップへの思いを語ってきたが、ようやく念願がかなった。

 自らバックアップ態勢も整えた。コートジボワール戦で不振を極めた香川を、あえて「絶不調ネタ」でいじり倒した。15日には長谷部、川島、長友を加えた5人でジャグジーに入り、皆の前で「全然ダメやったな」とダメ出し。傷に塩を塗る“ドS行為”に香川は笑いながら「すいません」と返すしかなかった。このやりとりがチーム内で定番となり、一種のギャグに発展。香川の精神面を楽にさせるための気遣いだった。

 大久保の国際Aマッチ初得点はデビューから21戦目。ゴールできなかった間はC大阪の先輩だった西沢明訓らから同様のダメ出しを受け続けた。「自分が得点できない時もそうやけど、変な気を使われるのが一番嫌。真司は普段はタメ口なのに、敬語になっていて完全にメンタルをやられていた。でももう、前向きになったよ」。ギリシャ戦での爆発には中盤のサポートが不可欠で、誰よりも復活を願っている。

 黒星発進後には日本にいる莉瑛夫人から動画が送られてきた。長男の碧人君(8)がサッカーでゴールを決める場面と、川崎Fのチームメートからの応援メッセージだった。発奮材料には事欠かず「得点は常に狙っている。チームとしての動きを大事にしつつ、自分のプレーも出したい。得失点も大事になるから、それも考えないとね。まずは先制点」と力を込めた。W杯出場6試合目で1トップでの先発は初。テレビのインタビューでは「ギラついてます」と語った。背番号13からは何かやってくれそうな気配がぷんぷん漂う。

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2014年6月19日のニュース