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ネイマール不発…ブラジル ロンドンのリベンジならず

[ 2014年6月19日 05:30 ]

再三のチャンスも2試合連続ゴールとはならなかったブラジル代表のネイマール(AP)

W杯1次リーグA組 ブラジル0―0メキシコ

(6月17日 フォルタレザ)
 屈指の攻撃力を誇るカナリア軍団の前に立ちふさがったのはメキシコの新守護神オチョアだった。ブラジルが放ったシュートは14本。うち8本が枠を捉えたが、ゴールネットを揺らすことはなかった。優勝候補を完封したオチョアは「人生最高の試合だ」と喜びを爆発させた。
【試合結果 ブラジル代表 メンバー A組順位表&日程】

 神がかり的なセーブを連発した。前半26分。DFダニエウ・アウベスのクロスに頭で合わせたMFネイマールのシュートに跳びついた。ゴール右隅へ向かうボールはゴールライン上に到達していたが、懸命に伸ばした右手ではじき出した。ゴールライン・テクノロジーによる場内映像ではボールの一部はラインを越えていたほど。「ポストへ向かってくる難しいボールだったが、いいセーブだった」。44分には走り込んできたMFパウリーニョのシュートを好セーブ。後半24分にはネイマールの至近距離からのシュートを体を張って防いだ。41分にはDFチアゴ・シウバがフリーで放ったヘディングシュートも止めた。ブラジルFWフレッジは「彼は少なくとも4つの奇跡を起こした」と脱帽し、敵将フェリペ監督は「メキシコのGKは嫌いだ」とぼやくほどの圧倒的なパフォーマンスだった。

 過去2大会は控え2GKだった。予選も金メダルを獲得したロンドン五輪代表GKコロナの控えに回ることが多かったが、本大会で定位置を獲得。エレーラ監督は「W杯でこれだけ素晴らしい働きをしたメキシコのGKはいない」とカンポスら過去の名GKを引き合いに出して称えた。

 11年北中米カリブ海選手権では災難に見舞われた男でもある。メキシコ代表5選手にドーピング検査で陽性反応が出て出場停止となったが、オチョアもその一人だった。家畜の成長促進の効果がある禁止薬物で、合宿中の食事に含まれていたとみられている。この苦い経験から今回チームは選手たちに牛肉禁止令を出している。だが、牛肉を使うメキシコ料理「タコス」を取り上げられてもチームは元気いっぱい。次はクロアチア戦。守護神は「道はまだまだ長い。前進あるのみだ」と前だけを向いている。

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