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香川攻守で“消えた”屈辱W杯デビュー「こんな形で終わりたくない」

[ 2014年6月16日 05:56 ]

<コートジボワール・日本>後半、ディエ(左)とボールを奪い合う香川

W杯1次リーグC組 日本1―2コートジボワール

(6月14日 レシフェ)
 うつむいたまま、顔をしかめてピッチを去った。日本の10番を背負う香川は全くいいところを見せられず、後半41分に交代を命じられた。低調なプレーに敗戦が重なり「言葉にならない。諦めたくないし、こんな形で終わりたくない」と消え入るような声だった。

 4年前の南アフリカ大会はメンバーから落選。練習相手としてチームに同行するサポートメンバーに甘んじた。その後、ドルトムントでのプレーを経て名門マンチェスターUの一員となった。ピッチで迎える初のW杯。試合前には君が代を口ずさみ「やっとこの時が来た」。貴賓席には尊敬するカズの姿。高揚感もあった。だが待っていたのは再びの試練だった。

 いつも通り左サイドの攻撃的MFだったが、精彩を欠いた。前半からパスミスを連発。大迫との呼吸も合わず、好機をつくり出せない。前半20分すぎに右を突破した岡崎の折り返しも、相手DFに足を出されてシュートにつなげられなかった。後半途中からトップ下に入ったが、結局はシュートなしのまま終わった。

 守備の弱点も露呈。技術の高いコートジボワールにボールを回され、走らされた。「相手のサイドバックが凄く上がって来て、守備、前からのプレスに行けなかった」。何度も数的不利な状況をつくられた。相手サイドバックへのマークがずれ、珍しく長友と言い争う場面もあった。2点目の失点の場面では、目前でゴール前へのクロスを上げられてしまった。

 レシフェは昨年6月のコンフェデ杯イタリア戦でゴールを挙げた思い出の場所でもある。加えて直前の強化試合で自身初の代表2戦連続ゴールを挙げて調子を上げていたはずだった。しかし本番での結果にはつなげられなかった。「このために準備をしてきたし、それでこの出来なら、それが自分の実力なのかなと」。自らを責めるように漏らした。若きエースはこのショックを拭い去れるのだろうか。

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2014年6月16日のニュース