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ギリシャ戦勝利へ エスコートキッズ11人王国へ出発

[ 2014年6月16日 06:14 ]

成田空港内からブラジルへ向けて出発したエスコートキッズ。ピッチに立つギリシャ戦へ気合十分

 サッカーW杯日本―コートジボワール戦が行われた15日、次のギリシャ戦(日本時間20日)でイレブンと手をつないでピッチに入場するエスコートキッズ11人が成田空港からブラジルへ旅立った。空港で円陣を組み「僕らの力でギリシャに勝つぞ!」と声を合わせるなど気合十分。一方、試合終了後の東京・渋谷スクランブル交差点は多くの人であふれたが、敗戦ということもあり、大きな混乱はなかった。

 出国ゲート前で行われたエスコートキッズの出陣式。小さなイレブンが円陣を組んだ。

 「エスコートの力で、ギリシャに勝つぞ!」

 声を張ったのは神奈川県茅ケ崎市のジョップ・セリンサリウくん(10)。父親がセネガル人で、将来の夢は日本代表入りというサッカー少年だ。

 イレブンは出発前に空港内の一室でコートジボワール戦を観戦。逆転負けにしばらくは言葉少なだったが、すぐに気持ちを切り替えた。出陣式では笑顔が戻り、セリンサリウくんの掛け声に、他のメンバーも「おう!」と応じた。

 W杯の日の丸エスコートキッズは日本マクドナルドが募集し、今大会には9964人が応募。対象はギリシャ戦で、北海道から沖縄までの7~10歳の少年少女11人が選ばれた。主将を務める福岡市の鈴木航介くん(10)は「小さい子もいるから、しっかりまとめなきゃ」と張り切っている。

 郷家隆晟(りゅうせい)くん(9)は仙台市出身。震災後、サッカーのできない日々を送った。被災地入りし、激励してくれた選手に恩返ししたいという。「“1億人が応援しています”と伝えたい。僕らも、もう一つの日本代表です」と元気に話した。

 手をつなぐ選手は、入場直前に決まる。本田や香川、大久保を希望するキッズが多かったが、静岡県磐田市の小野寺茜さん(10)は「磐田のDF伊野波選手」と郷土愛を見せた。

 エスコートキッズの同伴は、選手が子供たちにフェアプレーを誓う目的で始まった。勝利を願う子供たちの思いは、ギリシャとの大一番に臨む選手たちの力になるはずだ。現地では、世界69カ国のエスコートキッズが集まり、サッカーの交流試合も予定されている。

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