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スペイン王朝の落日…屈辱の51年ぶり5失点惨敗

[ 2014年6月15日 05:30 ]

5失点を喫しての敗戦にぼう然とする(左から)カシージャス、セルヒオ・ラモス、イニエスタ(AP)

W杯1次リーグB組 スペイン1―5オランダ

(6月13日 サルバドル)
 デルボスケ監督は試合終了を待たずしてベンチを立つと、放心状態の選手を残してピッチに背を向けた。1―5、まさに無残な前回王者スペインの初戦黒星。指揮官は「5失点して負けた結果は説明できない。ただ敗戦を受け入れて、次のチリ戦(18日)の準備をしなければ」と必死に前を向いたが、そのショックの大きさは計り知れない。

 前半27分、ジエゴ・コスタがPKを獲得。これをシャビ・アロンソが難なく決めて先制した。ところがその後はオランダの反則覚悟の激しい寄せに苦しめられ、理想とするパスサッカーができない。前半終了間際に追い付かれると、流れは変えられなかった。後半8分に勝ち越しを許し、その後は戦意を失ったかのように3失点。前回王者の初戦5失点は歴代ワーストで、4年前に7戦2失点を誇った堅守は、わずか1試合で崩れ去った。

 象徴だったのが主将で4度目のW杯となったGKカシージャスだ。試合前の時点でW杯連続時間無失点は433分。この試合を守り抜けば90年イタリア大会でゼンガ(イタリア)がつくった517分を抜く新記録だったが、後半27分に安易なトラップミスから失点した。Rマドリードでリーグ戦で出番が減っているベテランは「必要とするレベルになかった。どんな批判も受け入れる」と漏らした。08、12年の欧州選手権、そして前回W杯と主要国際大会を3回連続で制した王者。カシージャスをはじめ4年前の決勝先発メンバーのうち7人がこの日も先発したが「黄金世代」は落日を迎えている。

 司令塔シャビも「キャリアで最もつらい敗戦。悲惨な試合。崩壊だ」と厳しい言葉を並べた。前回南アフリカ大会は初戦でスイスに0―1で敗戦した後、6連勝で頂点まで駆け上がったが、果たして再現はできるのか。ただの1敗か、崩壊の序章か、全てはこの先の戦いに懸かっている。

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2014年6月15日のニュース