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香川、4年前の呪縛解き放つ「やり残したことは全くない」

[ 2014年6月15日 05:30 ]

コートジボワール戦を翌日に控え、試合会場で公式練習を行う香川

W杯1次リーグC組 日本―コートジボワール

(6月14日 レシフェ)
 サムライブルー5度目のW杯が、いよいよ幕を開ける。日本代表は14日午後10時(日本時間15日午前10時)キックオフの1次リーグ初戦でコートジボワールと対戦する。中盤の左サイドで先発が確実な香川真司(25=マンチェスターU)は13日の前日練習で心身ともに最高の仕上がりを強調。前回10年南アフリカ大会のメンバー落選を乗り越え、自身初のW杯のピッチに立つ。

 誰よりも早くピッチに飛び出した。コートジボワール戦が翌日に迫った13日午後8時(日本時間14日午前8時)からの公式練習。はやる気持ちを抑えることなく、香川が決戦の会場でウオーミングアップを開始した。気温28度、湿度87%の蒸し暑い気候の中、ストレッチで体をほぐすと酒井高とのパス交換で芝生の感触を確認。冒頭15分を除いて非公開だった約1時間の最終調整を終えると「やり残したことは全くない。勝つためにここに来た」と言い切った。

 4年間の思いをぶつける時が来た。前回W杯は当落線上にいながらメンバー23人から落選。練習相手を務める背番号24のサポートメンバーとしてチームに同行した。大会期間中に同じサポートメンバーの酒井高、山村、永井とつるむことはなく、森本ら本大会登録メンバーと多くの時間を過ごしたのは意地だったのかもしれない。大会後に酒井高、山村、永井は16強進出記念にW杯メンバーのサインをユニホームに集めたが、その輪にも香川は加わらなかった。帰国後は出場できなかった悔しさのあまり、森本らを誘ってやけ酒も飲んだ。

 10年6月29日のW杯決勝トーナメント1回戦パラグアイ戦の敗戦はスタンドから目に焼き付けた。あれから1446日。ドルトムントでリーグ連覇を達成し、世界的クラブのマンチェスターUに所属するまでになった。前回W杯後の公式戦出場回数は代表、クラブを合わせて171(代表44、ドルトムント71、マンU56)に上る。代表の背番号も24からエースナンバーの10に替わった。

 初陣の相手にも運命を感じずにはいられない。国際Aマッチで初出場した08年5月24日の親善試合の相手がコートジボワールだった。W杯南アフリカ大会直前の10年6月4日に行われた強化試合コートジボワール戦では公式記録に残っていない3本目に出場。前後半で行われた1、2本目が0―2で完敗した中、香川は1―0で制した3本目の勝利に貢献し、相手スタッフから「なぜあの選手はメンバーに入っていないんだ」と絶賛された。節目にはいつもコートジボワール戦がある。

 この日の練習前にはオランダ―スペイン戦をテレビ観戦。昨年11月16日の親善試合で2―2で引き分けたオランダが前回W杯王者に大勝した試合に刺激を受け「実力的にはスペインが上だったけど、オランダはハードワークしていた。ああいう戦いが必要になる。世界を驚かせる自信はみんな持っている」と力を込めた。いよいよ幕を開ける自身初のW杯挑戦。背番号10が躍動すれば、必ず歴史は動く。

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