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「W杯いらない」開幕戦直前まで爆音、怒号 警官が排除

[ 2014年6月13日 06:40 ]

ブラジル・サンパウロのW杯反対デモで、デモ隊が放火したごみと警官

 催涙弾の爆音とともに道に白煙が立ち上ると、真っ赤な目に涙をためた若者らが一斉に散った。12日、サッカー・ワールドカップ(W杯)開幕戦が行われたブラジル・サンパウロではW杯に反対するデモが行われた。競技場に行進しようとするデモ隊を武装警官隊が追い払う。怒号が飛び交う一進一退の攻防は試合開始前まで続いた。

 競技場につながる幹線道路沿いの地下鉄駅近く。試合開始7時間前の午前10時(日本時間午後10時)にデモ隊約300人が集まった。だが、その周辺一帯を銃や警棒、盾で重武装した警官隊が埋め尽くす。「金の無駄遣いだ」。デモ隊が罵声(ばせい)を浴びせながら規制線を突破しようとすると、警官隊は催涙ガス入りの手投げ弾を地面に滑らせ、ゴム弾で追い散らした。

 「W杯はいらない」と書いた紙を掲げ、赤い旗を振っていたデモ隊は道路標識を壊し、ごみを集めて放火。衝突で記者を含む少なくとも5人が負傷した。

 昨年から続くデモには警官も取材する記者も慣れており、一様にヘルメットと防毒マスク姿だ。デモ隊は午後2時(同13日午前2時)ごろに競技場の反対方向に行進を始め、試合前には解散に追い込まれた。(共同)

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2014年6月13日のニュース