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本田 異例の要請「日本人として日本代表を応援して」

[ 2014年6月13日 05:30 ]

手を使ったミニゲームでパスを出す本田(中央)

W杯1次リーグC組 日本―コートジボワール

(6月14日 レシフェ)
 日本のエースが異例のお願いを申し出た。W杯ブラジル大会は12日(日本時間13日)に開幕。日本代表の本田圭佑(28=ACミラン)は11日(同12日)、目標に掲げる優勝に向かうため、報道陣にも応援を要請した。日本国民の後押しを力に変え、まずは1次リーグ初戦となる14日(同15日午前10時)のコートジボワール戦に集中。10年W杯南アフリカ大会の初戦だったカメルーン戦と同様にゴールを決め、再び“持ってる男”を証明する。

 異例のお願いだ。

 「叩くとしても大会が終わってからにしてほしい。大会中はメディアとしてではなく、日本人として日本代表を応援してほしい。我々の一員として一緒に戦ってほしい」

 ブラジル入り後、初の共同取材。最後に本田の口から出たのは、日本の全国民に求めた後押しとも取れる言葉だった。

 3月の親善試合ニュージーランド戦。前半で4点を奪いながら4―2で終わった試合後、「W杯開幕までは厳しめに書いて」と話した。コートジボワール戦まで残り3日と迫って180度方向転換。「今さら嘆いても目の前の試合は来る」という本田なりの腹のくくり方だった。

 「満足しているところもあれば満足できないところもある。ただ自分たちだけではなく相手チームも抱えている。そういう完成とは言い切れないまま、互いにぶっつけ本番で勝敗が決する」。4年間の準備の出来を問われるとそう答えた。

 10年南アフリカ大会後はザックジャパンの主力としてチームをけん引してきた。個の成長を言い続け、W杯優勝という壮大な目標も掲げた。100%の準備ができたわけではないが、やれることは全てやってきた。もちろん、ブラジルでも入念な準備は進んでいる。この日のボールを手で運ぶ戦術練習では、真剣な表情で確認作業を行った。そして練習後は居残りで入念なFK練習。5月27日の親善試合キプロス戦ではFKの精度を欠いたが「(感触は)まあまあ」と修正に自信を見せた。期待されるのは4年前の再現だ。

 「未来のことは誰にも分からないけど、いつも未来のことに対して強気に言っているので。もちろん勝ちにいきますし、自分たちのスタイルを貫きますし、ゴールというのも当然狙いにいく」

 10年6月14日のカメルーン戦。24歳の誕生日の翌日だった一戦は自らの決勝弾で下馬評を覆し、チームに勢いをつけた。「まあ持ってるな、ということ」の言葉は流行フレーズとなった。今大会初戦も6月14日。「今の日本は自分だけでなく他の選手も得点を取る力がある」とチーム力の向上を認めながらも開幕弾を予告したのは、上向くコンディションに手応えを感じているからこそだ。

 スタジアムへ足を運ぶファンだけではなく、地球の裏側から声援を送る国民全ての思いを力に変えて――。魂の左足をゴールへ向けて振り抜く。

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