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香川「もっと中央に入る」 本田との距離詰めて負担減らす

[ 2014年6月5日 05:30 ]

<日本練習>地元の子供たちとの記念撮影で笑顔を見せる香川

 12日に開幕するW杯に向けて米国合宿中の日本代表は3日(日本時間4日)、フロリダ州クリアウオーター市内で練習を行った。香川真司(25=マンチェスターU)は全得点に絡み3―1で勝利した2日の親善試合コスタリカ戦を振り返り、今後は中央でのプレーを増やすことを明言。不調にあえぐトップ下の本田圭佑(27=ACミラン)の負担を軽減するため、司令塔の役割を担う。

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 全得点に絡んでも満足はしていない。3―1で逆転勝ちしたコスタリカ戦から一夜明け、香川の頭にはチームをさらに進化させるイメージができていた。「圭佑君(本田)とも話したけど、自分がもっと中に入った方がボールはうまく回ると思う。もう1試合、ザンビア戦があるので修正していきたい」。スタートポジションは左MFだが、流れの中で積極的にトップ下の位置に入っていく方針を打ち出した。

 コスタリカ戦では本田が中央で止まってボールを受け、つぶされる場面が目立った。本来はキープ力が持ち味だが、本調子からほど遠い背番号4に大きな負担はかけられない。香川は左サイドから中央に入りポジションを流動的にすることで、本田のマークを分散させるとともに、自らが最も得意とする位置から攻撃を組み立てた。

 実際、後半35分の得点も香川が中央左寄りでボールを受けてドリブルで持ち込んだ後、柿谷との絶妙な距離感からワンツーを受けて決めたもの。W杯1次リーグで対戦するコートジボワール、ギリシャ、コロンビアは屈強なDF陣がそろっており、強さの本田よりも速さの香川の方がトップ下として相手をかく乱できる公算も大きい。

 もともとトップ下には強いこだわりがある。ブンデスリーガを連覇したドルトムント時代の定位置は攻撃的MFの中央。10~11、11~12年の2シーズンで51試合21得点を挙げるなど最も輝きを放った時期だ。10年秋のザックジャパン発足当初も「トップ下をやりたい」と何度も主張。本田よりも機動力に優れ、サイドの適性もあったため、最終的には左MFに落ち着いたが、今も“本職”がトップ下だという思いに変わりはない。

 W杯初戦のコートジボワール戦(14日)までに残された試合は6日のザンビア戦のみ。香川は「コスタリカ戦は距離感や連動性が良かった。個人的にはシュートの場面に絡む回数が明らかに多かったので、得点できたのだと思う。その回数を増やす作業とフィニッシュの精度を上げることが課題になる」と前を向いた。不振の本田に代わりチームを引っ張るのは、この男しかいない。ブラジル入りを目前に控え、背番号10の存在感は増している。 

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