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ザック監督 最終ラインをより高く!攻撃的な守備指令

[ 2014年5月31日 05:30 ]

タンパに到着した日本代表(左から)川島、ザッケローニ監督、青山、大久保、清武、岡崎

 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(61)が4年間の集大成となるW杯ブラジル大会(6月12日開幕)で、これまで以上に自分のカラーを鮮明に打ち出す方針を固めた。今大会限りでの退任を決意している指揮官が、従来より高い位置でのラインコントロールを選手たちに求めていることが判明。貫いてきた攻撃サッカーで花道を飾る。

【日程 日本代表メンバー W杯グループC】

 信念はぶれることはなく、より鮮明になっていた。29日夜(日本時間30日午前)に直前合宿地となるクリアウオーターに到着。13時間に及んだ長時間のフライトに少し疲れをにじませながらも、ザッケローニ監督は笑みを浮かべて宿舎へと入った。W杯ブラジル大会後に日本代表監督退任を決意している指揮官は、一貫してきた攻撃サッカーを今まで以上に発展させる方針を打ち出した。

 国内での指宿合宿からフィジカル強化とともに戦術練習を取り入れてきた。全ての練習が冒頭の15分を除いて非公開となったが、最終ラインの今野は“変化”を感じ取っていた。「(より)攻撃的になっていて、さらに進化してる。相手を押し込むために(これまで以上に)ラインを高く保って、ボールをすぐに奪い返すことが要求されている」。最終ラインを高くすれば失点のリスクは高まるが、より高い位置でボールを奪い返すことができれば、相手の守備が整う前により早く攻撃に出ることが可能。ザッケローニ体制での国際Aマッチ50試合で39試合にわたって先発出場した今野はかつて「ラインを上げないなら(代わりに)闘莉王を呼ぶぞ」と言われたことがある。“攻撃的な守備”を託されたセンターバックは「W杯で日本らしいサッカーを考えているのかなと思う」と監督の思いを代弁した。

 引いて守るのではなく全体をコンパクトに保ちながら自分たちでボールを奪いにいく。10年8月に日本代表監督に就任してから日本人の特長も生かした積極サッカーに徹してきた。それをさらに突き詰めるのが今回の合宿。6日間の練習とコスタリカ、ザンビアとの親善試合が組まれている。ブラジル到着後はコンディション調整が主になるだけに、ここが戦術を深める重要な場となる。

 内田、長谷部、吉田といった信頼を寄せてきた主力もケガから復帰。1―0で勝利した27日の壮行試合キプロス戦後に「私は良い成績を残せるという確信を持ってW杯に臨める」とザッケローニ監督は自信を口にした。やってきたことに間違いはない――。集大成と位置づける大舞台で有終の美を飾るため、メキシコ湾に面した温暖な地で最後の総仕上げにかかる。

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2014年5月31日のニュース