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大久保 1トップいける!ザック監督「これくらい当然」

[ 2014年5月28日 07:18 ]

<日本・キプロス>後半23分、DFをおしのけてボールを奪おうとする大久保(左)

国際親善試合 日本1―0キプロス

(5月27日 埼玉ス)
 割れんばかりの歓声を浴びて、大久保がピッチを踏みしめた。後半13分、柿谷に代わり途中出場すると、走るだけでスタジアムが沸いた。後半17分には左サイドから中央に切れ込み右足で強烈なミドルシュート。後半33分には山口に絶妙の浮き球のパスを通して決定機を演出した。「凄く楽しかった。久々に戻ってきた感じ」。確かな手応えを得た32分間だった。

 予想外のポジションだった。21日からの鹿児島・指宿合宿では主にトップ下でプレーしたが、この日は1トップ。ザッケローニ監督から位置を伝えられると「おっ、マジか。ここで1トップか」と思わず小声で突っ込んだ。それでも指揮官から「今まで通りのプレーをしてくれ」と言われ「それでいいんや」と迷いは消えた。本田、香川らとスムーズに連動して攻撃を活性化させた。

 日本中が沸いたサプライズ選出から15日。国際Aマッチ出場は12年2月24日のアイスランド戦以来だった。代表合流から1週間しかたっていないが「連係を合わせることも大切だけど、最終的には本能」と、すぐにチームにフィット。昨季は移籍1年目の川崎Fで26得点を挙げ得点王を獲得しており、細かいことを気にしない豪快な性格が短期間で結果を出せる勝負強さを後押ししている。

 注文も忘れなかった。中盤の選手がボールを奪った直後に後方へのパスを選択する場面が目立つと、山口に「取った後に前にボールを入れてくれ。そうすれば相手がブロックをつくる前に攻められる」と指摘。香川には「バイタルエリアが空いてるから、もっとミドルを打て」、柿谷には「シュートの瞬間は考え過ぎずに足を振り抜け」とアドバイスした。

 ザッケローニ監督からは「大久保はこれぐらいできて当然」と最大限の賛辞を送られた。08年11月13日のシリア戦以来のゴールはお預けとなったが「全然やれたし、自信は増した。前に代表に入っていた時と違って余裕もある」と焦りはない。日本のラストピースの存在感は、簡単にはパズルにはまりきらないほど大きい。

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2014年5月28日のニュース