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内田 支えてくれたトレーナーらに贈る復活感謝弾!

[ 2014年5月28日 05:30 ]

W杯壮行試合のキプロス戦で、前半に先制ゴールを決める内田(右)

国際親善試合 日本1―0キプロス

(5月27日 埼玉ス)
 日本代表DF内田が派手に完全復活を決めた。先発の右サイドバックで約3カ月ぶりに立った実戦のピッチ。0―0の前半43分、ゴール前の混戦から放ったシュートは相手DFに阻まれたものの、こぼれ球に再度反応し右足でネットを揺らした。「何回もあそこにボールがこぼれるのが見えたので。狙っていました」。08年6月22日、W杯南アフリカ大会のアジア3次予選バーレーン戦以来、6年ぶりの代表2得点目。その時と同じ埼玉スタジアムでファンを安心させた。

 ゴールを贈りたい人がいた。甘いマスクをほころばせ、向かった先はベンチの前田トレーナー、池田ドクター、早川コーチ。復帰を支えてくれた面々だった。2月9日のハノーバー戦で右太腿肉離れを発症。ドイツでは3人の医師から「手術が必要」と診断された。緊急帰国して受けた精密検査では腱の損傷も発覚。それでもW杯のために保存療法を選択した。都内の国立スポーツ科学センターでリハビリ。歩けるようになった後、ドイツに戻り理学療法を続けた。再発すればW杯は絶望。慎重を極めるリハビリを支えてくれたのが3人のスタッフだった。

 「ケガをしてほぼ毎日連絡をした。ドイツに来て治療もしてくれた。何らかの形で感謝の気持ちを伝えたかったが、一番分かりやすいのはゴールだと思った」。右膝裏の2本ある腱のうち、1本はなくなったが、今では左脚よりも太い。筋トレの成果で体重は1キロ増、心肺機能や走力は、シーズン前より高い数値をはじき出す。この日は想定通りに前半だけで代わったが、接触プレーを恐れず果敢に動き回った。

 4年前の南アフリカ大会は直前に戦術が守備的に変更されスタメン落ち。チームは16強入りしたが、晴れやかな気持ちにはなれなかった。それでも「4年前は4年前」と高ぶる思いは抑えている。前回大会後に移籍したシャルケでは欧州CLに2度出場。今夏には、プレミアリーグの名門アーセナルが獲得に動くと英国メディアに報じられるまで成長した。4年分の自らの思い。支えてくれた人の思いを背負い、ブラジルに乗り込む。

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