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本田不発…キプロス戦勝利もザック監督「仕事してくれ」

[ 2014年5月28日 05:30 ]

<日本・キプロス>後半4分、ゴール前のボールに飛び込むが得点できずネットに絡まる本田

国際親善試合 日本1―0キプロス

(5月27日 埼玉ス)
 本田に厳しい注文がついた。日本代表は27日、W杯ブラジル大会に向けた壮行試合のキプロス戦を埼玉スタジアムで行いDF内田篤人(26=シャルケ)の得点で1―0の勝利を収めた。今季クラブで不調だったMF本田圭佑(27=ACミラン)はトップ下でフル出場したものの無得点。本大会へ向けて一抹の不安を残すパフォーマンスにアルベルト・ザッケローニ監督(61)は奮起を促した。日本代表は29日に直前合宿地のタンパ(米国)へ出発する。
【試合結果 日本代表メンバー】

 試合後、サポーターの声援に応える本田の顔に笑顔は一切なかった。口を真一文字に結んでスタジアムを周回。取材エリアでは「(直前合宿の)アメリカで!」と一言だけ残した。本田が代表戦の試合後に取材に応じなかったのは12年11月14日のブラジルW杯アジア最終予選オマーン戦以来14試合ぶり。そこにはエースの自分への怒りがにじみ出ていた。

 前半17分に柿谷の頭に合わせようとしたクロスは頭上を大きく越えた。35分の右45度からのFKは枠を外した。360度を敵に囲まれる中、相手との距離感を測れず何度もボールを失った。持ち前のキープ力もなりを潜め、シュートも両軍最多の4本を放ったが、無得点。岡崎とのワンツーから生まれた前半29分のシュートはGKのセーブに阻まれた。何度も天を仰ぎ、チームに推進力をもたらすことはできなかった。相手は格下。6万人近く集まったサポーターは快勝を期待したが、消化不良の一因には本田のブレーキがあった。

 「本田も香川もクラブでそんなに出場機会がなかったし、まずはプレーすることが必要だった。だから90分間使った」。ザッケローニ監督はフル出場させた意図を説明したが、裏を返せば、それだけ本田の状態を気に掛けていることに他ならない。ACミランでは今季14試合に出場も最終戦となった18日サッスオーロ戦では出番なし。11日のアタランタ戦では「自分の家」と例えるトップ下で先発したが、45分間で交代させられていた。トップ下での出場は14年に入ってからはキプロス戦で5度目。仮想ギリシャ対策の一戦は同時に“本田再生”の意味も込められていた。だが…。ブランクは明らかだった。

 ザッケローニ監督は「長い目で見ていかなければならない。きょうがゴール(目標)ではない」と擁護する一方で、本音は隠せない。FWのポジションまで上がってプレーする本田に「もっと“自分の家”で仕事すべき」と注文をつけることも忘れなかった。

 本田は試合後すぐに大久保の元に駆け寄って動きだしのタイミングなどを確認するなど、危機感も見せた。W杯1次リーグ初戦のコートジボワール戦まで残り17日。それまでに残された親善試合は米国合宿でのコスタリカ戦とザンビア戦の2つしかない。居心地の良い我が家を取り戻せるか。本田が復調しない限り、自身が掲げるW杯優勝など見えて来ない。

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