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誤審、落選、ケガ…挫折を成長に変えた青山「転んでもただでは起きない」

[ 2014年5月17日 09:25 ]

強い精神力で挫折を成長につなげてきた青山

 W杯ブラジル大会の日本代表に選ばれたMF青山敏弘(28=広島)はピッチ内外でリーダーとなるポテンシャルを秘めている。

 プロ2年目の05年に左膝じん帯損傷で全治8カ月、北京五輪を目指す反町ジャパンの予選突破に貢献しながら本番のメンバーから落選した。09年に左膝半月板の手術を受け、その後2年間で同じ箇所を2度手術…。作陽高2年時には全国高校選手権・岡山大会決勝で放った“延長Vゴール”を歴史的な誤審で取り消される事件もあった。

 ただ、幾度となく壁に当たってもサッカーを諦めることはなかった。「転んでもただでは起きないようにしてきた。(五輪メンバー落選の)あの時に流した涙が無駄じゃなかったと、今は思います」。長いリハビリ生活でも手を抜かず、強い精神力で挫折を成長につなげてきた。

 その強じんなメンタルだけがザッケローニ監督の目に留まったわけではない。Jリーグ2連覇中のチームを支えるボランチの最大の武器は、前線へ打ち込む鋭いクサビの縦パス。一発で速攻につなげるパスはもちろん、ゆっくりしたボール回しの中で、攻撃のスイッチを入れるパスまで、バリエーションと正確さには自信を持つ。

 「縦への意識は代表でもザックさんが強調して言っている。そこを伸ばしていけばチームに貢献できる」

 10年W杯南アフリカ大会で大会直前に抜てきされたMF阿部のように、ザックジャパンの中盤のキーマンに指名されても何ら不思議はない。

 ◆青山 敏弘(あおやま・としひろ)1986年(昭61)2月22日、岡山県生まれの28歳。作陽高から04年に広島入り。12、13年とJリーグベストイレブン。日本代表では4試合無得点。1メートル74、73キロ。利き足は右。

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2014年5月17日のニュース