【オシムの提言(1)】勝敗の鍵は内田&長友の両SB

[ 2014年5月13日 11:09 ]

“サプライズ落選”となった細貝

W杯日本代表発表

(5月12日)
 大久保選出はサプライズではない――。W杯日本代表メンバー23人について元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(73)が分析した。かつて90年イタリア大会でユーゴスラビアをベスト8に導いた名将は、イタリア人指揮官が選んだメンバーへの期待と課題を語った。

 全体として悪くないリストだ。必要な箇所に必要な力を配分している。前回のメンバーから若返っており、全員で相手に走り勝ち、アグレッシブなプレーをしてくれるだろう。大久保は油断のならない選手で、実力の上では「サプライズ」とはいえない。今季はJリーグで日本人最多得点だそうだが、調子の良い選手を起用するのは当然のこと。今後、Jリーグの他の選手にも刺激になるだろう。もう年長の部類に入るが、若い選手たちと一緒にプレーすることで、経験を生かし、別の力を発揮できるかもしれない。

 長谷部がメンバーに入ったことも安心した。ケガの具合が心配されていたが、W杯開幕までに間に合うということなのだろう。彼が出場できなければ、日本のフォーメーションの中央に穴が開くところだった。チームのリーダーであるだけでなく、守備と攻撃を統率するキープレーヤー。監督が頼りにできる選手だ。ブラジルでは各チームの走力が鍵を握っているとみている。長谷部は重要な役割を果たすだろう。

 遠藤も、長谷部とともに中盤の要だ。長谷部が縦横無尽に走り回るのに対し、遠藤は若い選手を上手に使う。私はかつて遠藤に、もっと走り、相手にとって危険な地域に飛び出すように何度も注文した。チーム最年長だが、まだ年金を受け取るには早すぎるだろう。

 本田については多くを語る必要はない。今季は絶好調ではなかったが、その分W杯で活躍するチャンスをうかがっていることだろう。南アフリカでの経験もあり、日本の頼れる中心選手であることは間違いない。ただし、W杯は個人的なアピールを狙ってできる舞台ではない。チームプレーを重視して献身的にプレーしてもらいたい。いつも強調していることだが、1人だけで無理しようとせず、周囲とのスピーディーなコンビネーションを心掛けるべきだ。相手のDFとレスリングをしていると時間がかかり、味方の攻撃の機会がなくなってしまう。

 香川は今季、あまり出場機会に恵まれなかったが、プレーの仕方を忘れたわけではないだろう。イングランドでもドイツでも、他にはいないタイプのプレーメーカーで、モダンな選手だ。自分が香川であることを思い出し、W杯で思いきりプレーしてもらいたい。

 そして、勝敗の鍵を握るのは内田と長友の両サイドバックだろう。2人とも体は大きくないが、ドイツとイタリアという有数の舞台で走力を生かして活躍している。体格で上回る相手(コートジボワールやギリシャ)と戦う際には、この2人の出来が鍵になる。本田や香川、岡崎とのコンビネーションで攻撃の足掛かりをつくるからだ。あえていうならば、細貝(ヘルタ)が入らなかったのが驚きだ。守備的MFも左右のサイドバック、センターバックと複数のポジションでプレーでき、ブンデスリーガでも通用している。献身的に戦う、良い選手だから、選から漏れたのは意外だった。

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