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代表発表逆転切符へ最終アピール どうだ大久保W杯弾

[ 2014年5月11日 05:30 ]

<川崎F・鹿島>後半12分、ゴールを決めた小林(右)と抱き合う大久保

Jリーグ第13節 川崎F4―1鹿島

(5月10日 等々力)
 12日のW杯日本代表メンバー発表前最後のリーグ戦が各地で行われ、川崎Fは鹿島に4―1で大勝した。逆転でのW杯出場を狙うFW大久保嘉人(31)は2得点の活躍。今季通算8得点で日本人トップとなり、12年2月のアイスランド戦以来の代表復帰を猛アピールした。日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(61)が視察した広島―清水戦では、広島のDF塩谷司(25)がゴールを決めて攻撃力を 示した。

 やはり役者が違う。W杯メンバー発表前の最後の一戦で大久保が爆発した。まずは2―1の後半38分、相手クリアミスを拾った中村のダイレクトパスに反応。最終ラインの裏に抜け出すとGKを冷静にかわして右足で左隅に流し込んだ。後半44分には小林のスルーパスから右足でダメ押し弾。4月26日のG大阪戦以来リーグ3試合ぶりのゴールに「ホッとした。1点目は1対1で緊張したけど大事に大事に決めた。2点目は1点決めて余裕があったのでパスが来た瞬間、入ったと思った」と胸を 張った。

 W杯メンバーが発表されるあす12日は、61歳で他界した父・克博さんの一周忌。幼い頃から父には清潔感ある髪形をするように口うるさく言われており、遺書にも「耳の回わりをきちんとせ」(原文のまま)と残されていた。父の教え通り、この1年間は耳を出す爽やかなヘアスタイルを維持。8日に散髪して迎えた試合で、3月23日のFC東京戦以来今季2度目のマルチ得点を記録した。きょう11日にはオフを利用して故郷・福岡に戻り、墓参りを行う。「得点できずにムラムラして帰りたくなかった。これで気持ち良く帰れる」と笑顔を見せた。

 今季通算得点を8に伸ばし、得点ランクはW杯メンバーを争う豊田(鳥栖)を抜き日本人トップ。昨季は26得点で得点王に輝いており、やるべきことはやり尽くした。10年南アフリカ大会は全4試合に先発して16強進出に貢献したが「(今のパフォーマンスは)4年前の自分に楽勝。今思えば、あの時は選ばれたのが恥ずかしいぐらい」と成長を実感している。

 「やれる自信はある。スーパーサブでも全然、良い。選ばれなくて当然だし、選ばれたらサプライズ。どっちに転ぶのか楽しみ。あとは何もできないので待つだけだね」。得点力、勝負強さ、経験値は国内組では群を抜いている。ザッケローニ監督、今、この男を呼ばずして誰を呼ぶ。

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