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川又 劇的“空振り弾”で執念のドロー「最後は空気で押した」

[ 2014年4月30日 05:30 ]

<新潟・神戸>後半45分、川又が空振りしながらもゴールにねじ込み同点に追いつく

J1第10節 新潟1―1神戸

(4月29日 デンカS)
 新潟はホームで神戸と1―1で引き分けた。後半22分に神戸のFWペドロ・ジュニオール(27)に先制ゴールを決められたが、選手を入れ替えた後半に主導権を握り、ロスタイム直前の同45分にFW川又堅碁(24)が、今季3点目となる劇的な同点ゴール。チームは第3節のアウェー甲府戦から8戦負けなし(3勝5分け)で勝ち点を17とし、7位をキープした。
【試合結果 順位表】

 最後まで諦めないチームの執念が、川又の同点ゴールを生んだ。0―1のまま迎えた後半45分。左サイドでボール受けたDF金珍洙(キムジンス)は、落ち着いていた。「ニアを狙っていたら堅碁(川又)が見えた。堅碁を狙っていったら、そこにマサル(加藤)が入ってきて…」

 絶妙なカーブを描いたクロスに、GKの視界を阻むように加藤が飛び込んだ。ボールは加藤の脇をかすめたが、その先に川又がいた。左足、空振り。右大腿、触っただけ。だが、執念が乗り移ったボールは、ラインをまたいで、ゴール内に力なく転がっていった。

 「いいボールが来ました。空振ったけど、入りました」と苦笑いを浮かべた川又は「落ち着いて空振りました」と周囲を笑わせた。だが、足だけでなく体で詰めていたからこそ、空振り後にも右大腿が残っていた。「ゴール前に詰めてたからできた。最後は空気で押した。いやいや、体で入れました」と川又らしい泥臭い今季3点目だった。

 昨季は23得点したが、今季は日本代表候補入りしたこともあって厳しいマークに遭い、これまで2ゴール。「何も考えずに集中してやるだけ」と無心を強調してきたが、この日は前半から川又にボールが入ることすら少ない展開だった。

 「相手のボランチとCBの間に、スペースがあることは分かっていたけど、そこを突くことができなかった」と川又。柳下監督は後半からボランチに小林を投入し、成岡をFWに上げた。DFラインも右SBの大野とCBの舞行龍を入れ替える采配が的中し、後半はゴール前でのチャンスも多くなった。

 「前半は今季で一番、悪い試合」と振り返った柳下監督だが「後半は急きょ、やった選手もいて難しかったと思うが、落ち着いてやってくれた。最後の最後まで、諦めずにプレーできた」と評価した。「負けない新潟」が定着してきたが、それでも川又は「勝ちきれない理由は、FWが点を取れていないこと」と満足はしていなかった。

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2014年4月30日のニュース