甲府　狙い通りの家長封じ！小倉コーチ“古巣”に恩返し

＜大宮・甲府＞前半、先制ゴールを決めガッツポーズする甲府・佐々木

　２―０で古巣の大宮に快勝。甲府の小倉コーチは城福監督とがっちりと握手した。

　昨季終了と同時に大宮の監督を解任され、今季から甲府コーチに就任。オシム監督や岡田監督の下で日本代表コーチなどを務め、対戦相手の分析や選手の個性を伸ばす指導には定評がある。この試合でも「家長がボールを持つと大宮の攻撃のスイッチが入る」と分析。「家長へパスが供給されないように、その前で抑えた」と狙い通りにイレブンがピッチ全体で相手にプレスをかけ、家長へのパスコースを封じた。攻撃もＣＫとサイド攻撃から２得点。ＦＷクリスティアーノも「完璧に近い試合ができた」と手応えを口にしたほどだった。

　試合前、大宮の教え子が次々とあいさつに駆けつけた。大宮に在籍したのは１年４カ月と決して長期間というほどではなく「それほど意識はしなかった」と振り返った。しかし、「監督をやり、またコーチをやる機会を与えられたことは感謝している。失敗から学ぶこともありますから」と、指導者として一回り成長した姿を見せたわけだ。プロらしい“恩返し”で甲府は１４位から１２位に浮上、大きな勝ち点３を手にした。