×

G大阪・今野 地獄から天国 復帰戦で“奇跡”V弾 

[ 2014年4月20日 05:30 ]

<G大阪・大宮>後半43分、勝ち越しとなるゴールを決めた今野は丹羽(右)と喜びガッツポーズする

J1第8節 G大阪2―1大宮

(4月19日 万博)
 G大阪の日本代表DF今野泰幸(31)が左膝負傷から復帰して即決勝弾を決めた。ホームでの大宮戦に後半39分に出場すると、同43分に今季初ゴールを挙げ、2―1の勝利を呼んだ。

 チームを、そして自らを救うゴールだった。1―1で迎えた後半43分、DF今野が遠藤からのパスを受けると横に動いてコースを探った。そして、左足一閃(せん)。DFをかすめた25メートルのミドルシュートはネットを揺らした。「奇跡です。あんなシュート持ってないし」。本人も驚く鮮やかな決勝弾が今季リーグ戦6試合ぶり、ホームでの初白星を呼び込んだ。

 1分前は絶望的な気分だった。“守備固め”で入ったのは後半39分。しかし、同42分に同点とされた。「顔面蒼白(そうはく)で、絶望でした。グラウンドで死のうかと思った」。だが、自ら悪夢を振り払った。

 日本代表の守備陣に負傷者が相次ぐ中、前節12日のC大阪戦で左膝を負傷して途中交代した。「膝が外れる」という感覚に嫌な予感もあったが、結果は打撲で済んだ。16日のナビスコ杯、鳥栖戦を欠場。負傷が癒えたこの日は先発も期待された。だが、自分の名前はなかった。J1に復帰した今季、G大阪は前節まで15位に低迷。「自分のパフォーマンスが良くないし、納得。サッカー人生で3位に入るくらい苦しかった。スタメンに自分がいない方がいいのかなと思った」と責任を背負い込んだ。ケガについても「消極的になっていたから。必然の結果」と言い訳にはしなかった。

 W杯イヤーであることも「結果を出さないといけない」と知らず知らずのうちに重圧になっていた。家族に苦悩を明かし、気分転換の旅行に出かけても心は晴れなかった。「サッカーの悔しさはサッカーでしか晴らせない」。その思いを胸に重ねてきたひたむきな努力がやっと報われた。

 「サッカーの神様が少しだけ気分を晴れさせてくれたのかな。これをきっかけにしてサッカーを楽しみたい」。日本守備陣の要が大舞台を前にようやく上昇気流に乗った。

続きを表示

この記事のフォト

2014年4月20日のニュース