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神戸 下克上だ!3発逆転4連勝、クラブ史上初の暫定首位

[ 2014年4月20日 05:30 ]

<鹿島・神戸>鹿島に逆転勝利、暫定首位に立ちサポーターの声援に応える小川(13)ら神戸イレブン

J1第8節 神戸3―2鹿島

(4月19日 カシマ)
 神戸が敵地で鹿島に3―2で逆転勝ちして4連勝。勝ち点17とし、20日に新潟と対戦する広島を上回って暫定首位に立った。1―2の後半22分にPKで追いつき、同24分にFW小川慶治朗(21)の今季初ゴールで勝ち越した。開幕節以外で神戸が首位に立ったのは初めて。苦難の過去を知らない若いパワーがクラブ史を塗り替えた。

 記念すべき首位奪取を決めたのは迷いを振り切った21歳だ。後半24分、小川はマルキーニョスのクロスを頭でねじこみ決勝点をゲット。今季初得点がクラブ史に残るゴールとなった。

 「勝ち越しチャンスを逃していて責任を感じていた。チームが強くなった実感はあります」と安堵の表情を見せた。

 ここまで新加入のブラジル人FWたちに遠慮して、持ち味のダイナミックなプレーは陰をひそめていた。初得点まで伸ばすと決めていた無精ヒゲも悲壮感をあおるだけだったが、この日の朝にキレイにそり落とし、プレーでも吹っ切れたように前線へ飛び出して決定機を作り出した。

 苦難の歴史にピリオドを打つのにふさわしい戦いぶりだった。後半9分、自陣で相手のパスに対して副審がオフサイドの旗を上げたが、主審は笛を吹かず試合続行を指示。GK山本は旗を見てプレーが止まったと勘違いしてボールを前へ軽く蹴り返し、ダヴィに拾われ無人のゴールへ勝ち越し点を蹴り込まれた。昨年までなら立ち直れないほどのショッキングな失点。しかし、岩波が主審に抗議する仲間を止めて再開を促すなど、すぐに気持ちを切り替えた。そこから逆転劇が始まった。

 同22分に鹿島・青木がゴール前のハンドで2枚目の警告を受けて退場となり、これで得たPKをマルキーニョスが決めて同点。そして2分後に小川のV弾だ。山本は「うれしかった。チームとして戦って、勝った。今度は僕が恩返ししたい」と一体感を感じ取った。

 この日は5得点のペドロ・ジュニオールが左太腿裏痛で、シンプリシオが右太腿裏肉離れで欠場。真価が問われる試合で苦闘の歴史を知らないメンバーが躍動した。

 「成績が悪い時のヴィッセルとは違う。まったく別もの」と森岡。初めてアウェー鹿島で手にした90分間での勝利にも、開幕節以外では初の首位にも特別な感情はない。生まれ変わった神戸が目指すのはもっともっと高いところだ。

 ≪16シーズン目で初≫神戸が11年19~22節以来の4連勝で暫定ながら今季初の首位に立った。神戸のJ1リーグ首位は12年開幕のG大阪戦(3月10日・○3―2)に勝利して総得点により、首位に立って以来2度目。開幕節を除くと97年のJ1初昇格以来、通算16シーズン目で初めてのことだ。20日に前節首位の広島(新潟戦)が引き分け以下ならば単独首位となる。

 ≪15年ぶりアウェー鹿島戦○≫神戸がアウェーの鹿島戦で勝利したのは99年第2ステージ12節(11月17日)に1―0で延長戦勝利して以来2勝目、90分内では初勝利だ。

 ≪次節でタイ記録挑戦≫神戸のJ1最多連勝は08年27~31節の5連勝。次節(26日)のC大阪戦でチームタイ記録がかかる。

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