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シメオネ監督で伝統復活!2冠獲得狙う反骨のAマドリード

[ 2014年4月15日 10:35 ]

積極的に選手への指示を出すAマドリードのシメオネ監督

リーガ・エスパニョーラ Aマドリード2―0ヘタフェ

(4月13日)
 アトレチコ・マドリードが18季ぶり10度目の優勝へ前進した。13日、敵地でスペイン代表FWジエゴ・コスタ(25)の得点などで2―0とヘタフェを下して7連勝。3位に転落したバルセロナに代わり2位に浮上したレアル・マドリードとの勝ち点差を3に広げた。欧州CLでは準々決勝でバルセロナを破り、40季ぶりに準決勝進出。2冠獲得も視界に入ってきた古豪復活の理由に迫った。
【リーガ・エスパニョーラ動画 順位表】

 エースが捨て身で勝負を決めた。1―0の後半39分、右太腿負傷から公式戦3試合ぶりに復帰したジエゴ・コスタが、FWアドリアンの右クロスに突進。左ポストに激突しながらリーグ2位の今季26点目を押し込んだ。骨折も心配されたが、シメオネ監督は「大丈夫だ」と左足の打撲だったことに胸をなで下ろした。

 「残り5試合は全て決勝戦だと思って戦わなくてはならない」。43歳の指揮官は自身が現役だった95~96年以来のリーグ制覇へ決意を語った。バルセロナ、Rマドリードの2強以外の優勝となれば03~04年バレンシア以来、10季ぶり。00~02年に2部降格も経験し、2強の4分の1以下の収入しかない古豪を復活に導いたのはシメオネ監督の手腕といえる。94~97、03~05年に選手として所属した古巣の監督に就任したのは11年12月。最初に取り組んだことはクラブの伝統を取り戻すことだった。

 選手、監督として70年代に黄金期を築いたアラゴネス氏の口癖が「GANAR、GANAR’Y GANAR(勝つぞ、勝つぞ、そして勝つぞ)」。スペイン代表も指揮した名将とシメオネ監督は現役時代は師弟関係。薫陶を受けたシメオネ監督は就任直後、ロッカールームに09~10年欧州リーグ優勝の写真を貼り、チームに勝利へのモチベーションと誇りを思い出させた。「うまい選手がチームを強くするんじゃない。勝ちたいと思う選手こそがチームを強くする」と闘争心を求めた。

 「バルセロナは選手の才能とポゼッション(ボール保持)。ウチは謙虚さ、心、ハードワークとカウンター攻撃だ」と語ったように、2強に対抗するため、アラゴネス時代のお家芸だった組織的守備からの速攻を徹底的に磨いた。成果が表れたのが今季のバルセロナ戦で公式戦は1勝4分け無敗。ボール保持率が5試合で27・4%でも相手の得点をわずか2点に抑え、鋭い速攻で3点を奪った。

 「他クラブの経済力はうらやましいが、試合では関係ない」。反骨の闘将が、リーガでも欧州CLでもビッグクラブを撃破して下克上を狙う。

 ◆ディエゴ・シメオネ 1970年4月28日、アルゼンチン生まれの43歳。現役時代は激しいプレーが売りの守備的MFで95~96年にリーグ、スペイン国王杯の2冠を獲得したAマドリードのほか、インテル・ミラノ、ラツィオなどで活躍。アルゼンチン代表でW杯は94年米国から3大会連続出場。06年の引退後にアルゼンチンで指導者となり、11年にカターニアでFW森本を指導。Aマドリードでは11~12年欧州リーグ、12~13年スペイン国王杯で優勝。

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