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仙台 渡辺新監督就任で“堅守速攻”回帰1勝も…改革のジレンマ

[ 2014年4月13日 05:30 ]

就任初戦で今季初勝利を挙げ、2得点の赤嶺(左)と抱き合って喜ぶ仙台・渡辺監督

J1第7節 仙台2―0横浜

(4月12日 日産ス)
 試合終了の瞬間、仙台のDF渡辺広が、渡辺新監督に抱きついた。今季7試合目でようやく手にした初勝利。後半21分にカウンター攻撃で得た右CKから赤嶺がヘディングで先制。36分にもFKからのこぼれ球を赤嶺が押し込んだ。

 今季、チームは元オーストラリア代表監督のアーノルド氏を指揮官に迎え、細かくパスをつないでボール保持率を上げるサッカーを目指した。しかし、結果が出ず9日に解任、渡辺ヘッドを昇格させた。戦術を昨季の「堅守&カウンター攻撃主体」のサッカーに戻したとたんに、6試合で2得点13失点のチームが2―0で快勝。新監督は「ここが我々のスタート。この成果を出し続けたい」と振り返り、赤嶺も「気持ちいいゴールでした。気持ちがみんな入っていた」と胸を張った。

 しかし本当に喜んでいいのか。仙台は昨季までJ1の4年間で14、4、2、13位。ワンランク上を目指しJ1優勝やACLで結果を残すため、「堅守&カウンター攻撃主体」のサッカーを変えようとしたのではなかったのか。6年間指揮した手倉森監督の退任は転換のいい機会だったが、選手がほぼ同じ顔ぶれではそれをやり抜くのは難しい。チームは見事にまとまった。ただ、長い目で見た改革は先送りとなった。

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