ザック監督も注目　ＦＷ小林悠　巻き返しシーズンへ「今年は２桁」

日本代表のザッケローニ監督も注目する逸材、川崎ＦのＦＷ小林悠

１４年Ｊ１注目株 川崎Ｆ　ＦＷ小林悠

　悲願のリーグ制覇を目指す川崎Ｆで、ブレークが期待されるのがＦＷ小林悠（２６）だ。大久保、中村、レナトら破壊力抜群の攻撃陣の中で、中盤の右サイドに入る。昨季は右膝半月板損傷で長期離脱を強いられ、２３試合５得点と不本意なシーズンに終わった。「毎年２桁を目標にしているので、今年は達成したい」と巻き返しを期している。

　右膝は拓大４年時の０９年秋に前十字じん帯断裂の重症を負った箇所。痛みや違和感を和らげるために、昨季終盤からは週に１度のペースでヒアルロン酸の注射を打っている。通常の練習では左足に比べて右足の筋力が低下するため、右足の筋力アップに重点を置く特別メニューの筋力トレも消化。「完全に痛みが消えることはないので、ケガとうまく付き合っていかないといけない」と入念にケアを施している。

　０３～１１年に川崎Ｆで活躍し、昨季限りで鹿島を退団したジュニーニョを師と仰ぐ。入団２年目の１１年に背番号１１となり、背番号１０の助っ人とロッカーが隣同士になったことをきっかけに指南を受けるようになった。「俺のことをよく見ろ。練習中も自分の近い場所にいてプレーを見ておけ」と指示され、ボールの受け方やトラップの技術などを盗んだ。

　関係者によると、小林には日本代表のザッケローニ監督も注目しており、リーグ序盤戦の活躍次第では４月に予定される日本代表の国内組合宿で初招集される可能性もある。「日本代表には一度も呼ばれていないので意識はしていない。川崎Ｆで結果を出すことしか考えていない」。目の前のタイトルに集中しているが、背番号１１の前には無限の可能性が広がっている。

　◇小林　悠（こばやし・ゆう）１９８７年（昭６２）９月２３日、東京都出身の２６歳。町田ＪＦＣ、麻布大渕野辺、拓大を経て、１０年に川崎Ｆに入団。拓大時代にはＪ２水戸の特別指定選手としてＪ２リーグ５試合に出場した。Ｊ１通算８７試合２３得点。尊敬する選手はカズ。利き足は右。１メートル７７、７０キロ。