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W杯で輝けるか…スターリッジ リバプールでブレークした3つの理由

[ 2014年2月25日 06:29 ]

<リバプール・スウォンジー>8戦連続となるゴールを決めるスターリッジ(中央)

 イングランドに新たな“スター”が誕生した。リバプールのイングランド代表FWダニエル・スターリッジ(24)が23日、ホームのスウォンジー戦で2得点を挙げて、プレミアリーグ歴代2位となる出場8試合連続ゴールをマーク。チームの4―3勝利と3連勝に貢献した。6月に開幕するW杯ブラジル大会でもイングランド代表の有力エース候補に浮上。マンチェスターC、チェルシーでは先発に定着しきれなかった若きストライカーが、昨年1月に加入したリバプールで一気にブレークした理由に迫った。

 傑出したスピードと決定力をあらためて示した。リバプールのFWスターリッジがスウォンジー戦で2得点。前半3分、相手DFを置き去りにしてスルーパスを受け、GKをかわし左足で先制点を挙げると、2―2の同36分にウルグアイ代表FWスアレスの左クロスに頭で合わせ勝ち越し点。ロジャース監督は「生粋の点取り屋。毎試合得点できるほど能力がある。しかもまだ発展途上だ」と賛辞を贈った。

 これで出場したリーグ戦で8試合連続得点。03年に10試合連続得点を挙げたマンチェスターUのオランダ代表FWファンニステルローイのプレミアリーグ記録にあと2試合に迫った。昨年1月に加入してからリーグ33試合で28得点とゴールを量産。埋もれていた“原石”が新天地で“ダイヤ”に生まれ変わったのには理由があった。

 (1)起用法 「自分は9番(センターFW)の選手だが、チェルシーでは慣れないウイングで使われた」とスターリッジ。チェルシー時代はドログバ、フェルナンド・トーレスら大物FWがいたためサイドが主戦場だったが、リバプールでは希望するセンターFWで起用されている。

 (2)相棒 2トップでコンビを組むスアレスについて「世界クラスの選手。一緒にプレーして楽しいし助け合える」と説明する。この日の2点目もスアレスのアシスト。能力の高い2人の相乗効果で、得点ランク1、2位を占めている。

 (3)精神的成長 リバプール加入後はスポーツ心理学のピータース医師に師事。「物の見方が変わった。自信がついたし、何かあっても動じなくなったと思う」と自身の変化を分析する。高い身体能力に精神的な安定が加わり、プレーの波が少なくなった。

 リバプールの同僚でイングランド代表主将のMFジェラードは、スターリッジを「長年にわたってイングランド代表を背負っていく逸材。ルーニー(マンチェスターU)とのコンビはチームの強みだ」と高く評価。本人は「ブラジルには行ったことがない。成長し続けてW杯メンバーに入りたい」と謙遜するが、リバプールでの活躍を続ければW杯ではレギュラーの座をつかみそうだ。

 ◆ダニエル・スターリッジ(Daniel Sturridge)

 ☆生まれ 1989年9月1日、英国バーミンガム出身の24歳。

 ☆サッカー歴 アストンビラなどの下部組織で育ち、07年にマンチェスターCでプロデビュー。09年にチェルシーに移籍し、11年にはボルトンに期限付き移籍。

 ☆移籍金、年俸 13年1月にリバプールに加入した際の移籍金は1200万ポンド(約20億円)。年俸は416万ポンド(約7億円)=ともに推定。

 ☆ゴール数 マンチェスターCではリーグ戦21試合5得点、チェルシーでは同63試合13得点。

 ☆代表歴 各年代のイングランド代表に選ばれ、12年には英国代表としてロンドン五輪出場。フル代表は11年11月のスウェーデン戦で初出場。国際Aマッチ通算9試合2得点、W杯ブラジル大会予選は4試合2得点。

 ☆サイズ 1メートル83、76キロ。利き足は左。

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2014年2月25日のニュース