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家長 本田活躍は「刺激になる」 早熟レフティーは殻を破れるか

[ 2014年2月24日 08:16 ]

5日の古巣G大阪との練習試合で、遠藤(右)と競り合う家長

14年J1注目株 大宮 MF家長昭博

 その空間だけは圧倒的な「個」が支配する。早くから才能を期待されてきた家長昭博(27)が大宮に加入した。現状ではトップ下、右MFが主戦場だが、本人にポジションへのこだわりはない。「どちらで出ても自由にやれればいい」。抜群のキープ力に独特なドリブル、小さな振りから強烈なシュートも持っている。この男に必要なのは、いい意味で自由であることだ。

 物心ついた頃から本田圭佑(ACミラン)と比較されてきた。まるで運命のイタズラであるかのように同じ生年月日(86年6月13日)で同じ左利き。G大阪ジュニアユース時代は2人のガキ大将として君臨した。もっとも当時の存在感は、技術に優れた家長の方が数段上だったという。だからこそ本田のACミランでの活躍を見るにつけ「刺激になる」と言う。

 家長もマジョルカ、蔚山と海外サッカーを経験した。「ものの見方は変わったかな」。今回、新天地に選んだのはこれまでタイトルとは無縁だった大宮だ。移籍を迷っていた頃、05年世界ユース選手権(U―20W杯)でも共に戦った大熊監督から電話をもらい、納得いくまで話し合った。「年末に帰国し、クラブのビジョンを聞いた。勝つためにはお金もかけられる。浦和と肩を並べられるクラブになれれば」。確かなやりがいを見つけた。

 ピッチ内外で家長を熟知する大熊監督は「日本代表に復帰してほしい。ただシャイなんだよ。もっと感情を出してくれれば大宮も変われるんだけど」と話す。むろん、日頃はクールな家長も「代表は常に意識している。個人でもチームでもタイトルが獲りたい」と今季に懸ける思いは強い。寡黙な男がその殻を破った時、大宮もまた新たな進化を遂げるはずだ。

 ◇家長 昭博(いえなが・あきひろ)1986年(昭61)6月13日、京都府生まれの27歳。G大阪ジュニアユース時代から頭角を現し、高3だった04年7月にはJ初となる2種登録でのデビュー戦初得点を記録した。その後は大分、C大阪、マジョルカ、蔚山などを経て大宮に移籍。国際Aマッチ3戦出場0得点。1メートル73、70キロ。左利き。

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2014年2月24日のニュース