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3年目のミシャ浦和 李忠成がタイトルへの“最後の1ピース”

[ 2014年2月22日 08:05 ]

今月1日のJ2群馬との練習試合で移籍後初ゴールを決めた李忠成

14年J1注目株 浦和 FW李忠成

 ペトロヴィッチ体制3年目の浦和。追求してきた攻撃サッカーの円熟期に最後の1ピースが加わった。サウサンプトンから完全移籍したFW李忠成(28)だ。前線から激しく動き回り泥くさくゴールを狙う闘魂派FWは「最初にピッチに入った、その1秒からぶっ飛ばしていく」とデビューが待ち切れない。

 11年アジア杯で日本代表を優勝に導くボレー弾を決めたレフティーに求められるのは決定力だ。昨季の浦和はリーグ最多66得点ながら勝負弱さを露呈。興梠がチーム最多13得点をマークしたが、得点王争いに食い込むような絶対エースが不在で終盤に失速した。前線の複数ポジションでの起用となる李に期待されるのは、優れたポジショニング能力を生かして勝負どころでの価値ある一撃だ。「とにかく点を取ってほしい」と山道強化部長。李も「1試合1点は取る」と闘志を高める。

 イングランドで味わった悔しさを力に変える。12年1月に当時同2部のサウサンプトンに移籍。直後に右足人さし指を負傷し復帰まで5カ月を費やし、1部昇格後の12~13年シーズンは李を高評価していたアドキンス監督が成績不振により解任。それ以降は出場機会を失いプレミア2シーズンでリーグ戦出場はゼロ。実戦感覚を維持するため、プライドを押し殺しながらクラブのU―21の試合にも定期的に出場した。「サッカー選手として一人の人間として成長した」。耐えた日々は糧となった。

 浦和は06年を最後にリーグ優勝から遠ざかる。「とにかくチームに貢献したい」。元日本代表FWが輝きを取り戻した時、覇権奪回の歯車は動き始める。

 ◇李忠成(り・ただなり)1985年(昭60)12月19日生まれの28歳。東京都西東京市出身の在日韓国人4世。FC東京U―18から04年トップ昇格。05年から柏、09年から11年まで広島に在籍。昨季はサウサンプトンからFC東京に期限付き移籍し13試合4得点。07年に日本国籍を取得し、08年北京五輪出場。11年にA代表に初選出され、国際Aマッチ通算11試合2得点。1メートル82、73キロ。

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2014年2月22日のニュース