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マンUが勝てない3つの理由 CL切符絶望との声も

[ 2014年2月11日 05:30 ]

最下位フルハムと引き分け、引き揚げるマンチェスター・Uのモイーズ監督

 日本代表MF香川真司(24)が所属する名門マンチェスター・ユナイテッドが、またも格下相手にぶざまな戦いを演じた。ホームで最下位フルハムと2―2で引き分け。後半に一時逆転したものの、終了間際に同点弾を許した。2試合ぶりにベンチ入りした香川は出番なし。昨季王者が7位に沈み、連覇は絶望的で来季の欧州CL出場権(4位以上)の獲得も危うい。低迷の理由を現地報道を中心に探った。

 マンチェスターUの低迷を象徴するような試合だった。2―1と逆転して迎えた5分間のロスタイムの4分目に相手の速攻を受け失点。最下位相手にホームでまさかの引き分けに終わった。モイーズ監督は「最悪だ。なぜ勝てなかったのか分からない」と苦悩をにじませたが、地元メディアからは指揮官の力量への疑問の声が高まってきた。

 迷走の理由(1)モイーズ監督 モイーズ監督はビッグクラブを率いた経験がない。ユーロスポーツは「(低迷の)原因はすべて監督に責任がある」と手腕を批判。昨季まで率いた中堅エバートンでは堅守速攻を貫くことで安定した成績を残したが、戦術の柔軟性は乏しい。新天地で展開するのはフィジカルを重視し、サイドから放り込む戦術。この試合はまさに典型でクロス数は実に81本(相手は4本)に達したが、味方に合ったのは18本だった。昨季までマンUでコーチを務めたフルハムのミューレンステーン監督から「戦術は本当に単純。サイドに展開してクロス。守りやすかった。もっと創造性と多様性が必要だ」と“助言”を受ける始末だ。

 迷走の理由(2)中盤の連係不足 サイド偏重の攻撃は相手に読まれやすい。決定力とチャンスメークを兼備するルーニーの不在時には攻撃がさらに単調になる。デーリー・テレグラフ紙のヘンリー・ウィンター記者は「チームに必要なのは中盤をコントロールできるセントラルMF」と指摘。中央で攻撃を組み立てられる選手の不在が響いている。

 迷走の理由(3)不安定な最終ライン 今季リーグ25試合で31失点。1試合平均1.24失点で、昨季の1.13よりも悪化している。26歳エバンス、23歳ラファエル、21歳ジョーンズは経験不足、35歳ファーディナンド、32歳のエブラとビディッチは衰えが指摘されている。ロスタイムの失点もビディッチのクリアミスからだった。元イングランド代表MFで解説者のダニー・マーフィー氏は「勝っても失点が多い。今から4位リバプールに追いつくのは難しい」と守備力を理由に来季の欧州CL出場は絶望と予想した。

 すでにFA杯とリーグ杯で敗退。残るはリーグ戦と欧州CLのみで、ルーニーは「今季のタイトル獲得は難しい」。2季ぶりの無冠のみならず、89~90年以来初めて欧州カップ戦にも出場できない危機が迫っている。

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2014年2月11日のニュース