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“金の卵”中島放出の東京V、深刻な資金難で“ドタバタ劇”今後も…

[ 2014年1月26日 11:12 ]

U―21日本代表MFでFC東京に移籍、富山にレンタルされた中島翔哉

 小学校時代から在籍したU―21日本代表MF中島翔哉(19)がJ1のFC東京に完全移籍すると発表したJ2東京Vは26日、「【重要なお知らせ】中島翔哉選手移籍に伴う2014レプリカユニフォーム予約申込者へのご案内」とする文章をクラブの公式ホームページトップに掲載した。

 東京Vでは、すでに今季レプリカユニホームの受注を開始しており、人気選手である中島の背番号7と名前入りのレプリカユニホームを申し込んだサポーターが多数存在。通常は申し込み後のキャンセルは一切受け付けない決まりになっていたが、このタイミングでの移籍発表となったため、「予約の取消」「番号加工の取消」「加工番号の変更」の3点を受け付けるという。

 中島は小、中、高と東京Vの下部組織で育ち、高3だった2012年10月21日の栃木戦(味スタ)ではJリーグ最年少記録を19年ぶりに塗り替える18歳59日でのハットトリックを達成。昨年9月29日の群馬戦(国立)でマークしたゴールは、昨季のJ2最優秀ゴール(J1最優秀ゴールは柿谷曜一朗=C大阪)に選ばれている。身長1メートル64と小柄ながら、トップ下、サイド、FWと攻撃的なポジションならどこでもこなし、得意のドリブルで仕掛ける姿勢、積極的なシュートなどが光り、その実力はU―21日本代表がベスト8入りしたさきのU―22アジア選手権(オマーン)で3得点1アシストしたことでも証明した。

 つまり東京Vのチーム関係者、サポーターにしてみれば、中島は低迷が続く東京Vの未来を背負って立つべき“金の卵”と言える存在だった。だが、昨季就任した三浦泰年監督(48)のもとでは良さが生かされず、そこに、東京Vの深刻な資金難という状況も加わり、東京V側からFC東京側に移籍を打診。推定3000万円という移籍金との“交換”で中島のFC東京への完全移籍が決まり、FC東京のチーム事情やJ2富山の安間貴義監督(44)が中島を高く評価していることなどから、最終的に富山への期限付き移籍で話がまとまった。

 また、東京Vは人件費削減のため、中島以外にも今季のメンバーとしてすでに発表している複数選手の移籍を模索中で、まとまりしだい発表する見込み。さらに、元日本代表DFの都並敏史アドバイザー(52)や昨季は女子の日テレ・ベレーザでコーチを務め、東京Vでもかつてトップチームコーチを務めた津越智雄氏(34)らも今月限りで退団することが決まっている。その一方で、三浦監督の関係筋からブラジル人選手2人が近日中に加入する予定で、ちぐはぐな印象を受ける選手、スタッフの出入りは、チームの復活を信じるサポーターに大きな衝撃を与えそうだ。

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2014年1月26日のニュース