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本田最低点!一転そろって酷評 これが伊メディアの洗礼 

[ 2014年1月21日 05:30 ]

ベローナ戦でゴール前に攻め込むACミランの本田

セリエA第20節 ACミラン1―0ベローナ

(1月19日)
 ACミランの日本代表MF本田圭佑(27)は19日、ホームで行われたベローナ戦でリーグ戦初先発を果たした。後半18分に退き、チームは1―0の勝利でシードルフ新監督の初陣を飾った。しかし、本田は得点に絡めずに20日付のイタリア主要各紙は軒並み最低点をつけるなど辛口の評価。厳しい地元メディアの洗礼を受け、あらためて背番号10として求められる期待値の高さが浮き彫りとなった。

 後半18分の交代時にはサポーターから応援歌を贈られた。かつてイタリア代表DFネスタやブラジル代表FWアレシャンドレ・パトらにも使われたリズムで「オーレー、オレオレオレー、ホンダー、ホンダー」の声がホームに響くと、本田は右手を軽く挙げて応えた。

 シードルフ新監督の初陣。4―2―3―1システムのトップ下でリーグ初先発を飾った。豪華布陣を操り、前半9分に右サイドから絶妙なクロスでMFカカーのヘッドを演出。同17分はゴール前でDFデシリオのクロスを受けた。トラップが大きくシュートこそ打てなかったが、シンプルなプレーでリズムを生み、カカーと細かいワンツーを交わすなど攻撃の軸としてチームを引っ張った。

 「ボールを長い間、保持することが足りないと思っているので自分が率先してやりながら、その中で得点を目指したいと思った」と本田。入団会見後、初めてテレビの取材に応じたが、プレーには満足していない。勝利を決める決定的役割を果たすことができず「まだまだ質を高めないといけないと思います。仕事の出来?全然ですよ。50%もいってないんじゃないかと思う」と嘆いたが、状態が万全ではない中で確かに存在感を示した。

 ところがイタリア各紙からは軒並みチーム最低の評価を下された。ガゼッタ・デロ・スポルト紙は「本田は空転」と報じてカカーらの最高点6・5に対して本田は5・5点。「本田、チャンスをつくれず」としたコリエレ・デロ・スポルト紙はバロテッリらが最高点6・5で本田は5点。ユベントスなどで優勝経験があり、衛星放送スカイで解説を務めたマッシモ・マウロ氏は「カカーやロビーニョのコピーにしかならないようなトップ下を補強する必要があったのか」と疑問を呈した。

 本田にとってはカップ戦を含めて3試合で3人の監督の下でプレー。クラブの迷走で戦術を理解する時間も短いが、伝統の背番号10を受け継いだ助っ人に注がれる視線は極めて厳しい。交代で初出場した12日のサッスオーロ戦で最高点をつけた各紙が一転して酷評。イタリアの選手起用がメディアの論調にも左右されると言われる中、今後は従来以上に結果を求められる環境となったことは間違いない。「自信はあります。しっかり結果を出すことが、自分がその先につながるプレーヤーになれると思っている。しっかり自分を高めていきたい」と訴える本田がカルチョ(サッカー)の国で生き残るには、この洗礼を乗り越えるしかない。

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