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本田 初先発で本拠デビュー弾!背番「10」の価値を一発証明

[ 2014年1月17日 05:30 ]

移籍後初ゴールを決め、手を上げて声援に応えるACミランの本田

 日本のエースが鮮烈ゴールで希望の灯をともした。ACミランの日本代表MF本田圭佑(27)は15日、本拠地ジュゼッペ・メアッツァ(通称サンシーロ)でのデビュー戦となったセリエBスペツィアとのイタリア杯5回戦で、公式戦2試合目で初先発。2―0の後半2分、こぼれ球を左足ダイレクトで合わせて移籍後初ゴールを挙げた。チームは3―1で勝ち、準々決勝に進出。本田はセリエAデビューとなった12日のアウェー・サッスオーロ戦に続き、チームメートと地元メディアから大絶賛を受けた。

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 待望の瞬間は後半早々にやって来た。2分、ロビーニョのショートCKからデシリオ、モントリーボとパスがつながる間に、本田はペナルティーエリア内に進入。モントリーボが放ったミドルシュートをGKがはじくと、冷静に左足で合わせて豪快にネットを揺らした。

 ロビーニョ、パッツィーニらチームメートから移籍後初ゴールを祝福されると、ようやく笑顔が浮かんだ。得点者を告げる館内放送ではクラブ専属のDJが「背番号10がサンシーロを光り輝かせる」と絶叫。「得点者はケイスケ」と続けると、ミランファンの「ホンダ」と叫ぶ声がホームスタジアムに響き渡った。

 この日はクリスマスツリー型の4―3―2―1システムで2列目の右で出場。1トップのパッツィーニの後ろでロビーニョとコンビを組んだ。ガゼッタ・デロ・スポルト紙によると、タソッティ暫定監督は後半から本田とロビーニョの位置を変更。それが左サイドからの初得点につながったと報じた。だが、本田は前半からピッチを王様のように自由に動き回り、低迷するチームの司令塔として攻撃陣を引っ張った。

 セットプレーのキッカーはロビーニョが務めたが、前半22分にゴール前約25メートルで得たFKは譲らなかった。メクセスがベンチに向かって「蹴らせていいのか」と合図を送る中、本田は蹴る気満々のオーラで“奪取”。そしてふわりと浮かせるキックで好機を演出した。同21分にミスを怒鳴られた19歳のクリスタンテも、本田の凄みにうなずくしかなかった。それほど存在感は絶大だった。

 気迫に満ちたホームデビュー戦。前半18分には相手選手のユニホームを引っ張り、初のイエローカードも受けた。攻守に積極的に動き回り、後半19分に交代。タソッティ暫定監督は「フル出場にはまだもう少し時間がかかる。ケガにつながる可能性もあるので早めに交代させた」と説明した。19日のホーム・ベローナ戦での起用については「(次期監督の)クラレンス(シードルフ)が決めること」としたが、中3日で迎えるリーグ戦をにらんで早めに交代させた可能性もある。試合後の本田は報道陣の問いかけにあいさつをしただけで、無言を貫いた。

 ゴールという結果を出し、チームメートは既に本田が中心選手であるということを認めた。パッツィーニが「驚くほど早くチームに溶け込んだ」と話せば、オランダ代表MFエマヌエルソンも「チームには彼のような選手が必要だった」と絶賛した。わずか2試合で、本田がミランの王様へと近づいた。

 ≪中田もホーム初戦弾≫セリエAでプレーした日本人ではペルージャの中田英寿も本拠地初陣でゴールを決めている。公式戦初出場だった98年9月13日、ユベントスとのリーグ戦で後半に2得点を挙げた。だが、試合は3―4で敗れた。本拠地デビュー弾を勝利につなげたのは、イタリアでは本田が初めてとなった。他のリーグでは、香川真司がドルトムント、マンチェスターUで、ともにホームデビューをゴールで飾っている。

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