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「国府バエ」の粘りで進撃 体張って、カウンター一撃

[ 2013年12月31日 05:30 ]

<熊本国府・国学院久我山>後半ロスタイム、熊本国府・大槻(中央)は国学院久我山のGK仲間(右)の前に飛び込み決勝のヘディングシュートを決める

全国高校サッカー選手権

(12月30日 東京・国立競技場)
 開会式に引き続き行われた開幕試合で、15年ぶり2回目出場の熊本国府(熊本)が、国学院久我山(東京B)を2―1で下し、2回戦に進出した。圧倒的に攻められながらも熊本市内の練習場に大量発生する「国府バエ」のようなしつこさで1失点に抑え、カウンター攻撃を中心にFW大槻健太(3年)の2得点で勝ちきった。

 粘り強さを表す「国府バエサッカー」を体現した。1―1の後半ロスタイム、相手の猛攻をしのいでカウンター。最後は右サイドの倉原のクロスを大槻が頭で押し込んだ。壁に体をぶち当てる自主練習を続けるエースは、守備の壁を破り「1―1になって相手が前掛かりになってくる。(その裏を狙えて)全てがプラン通り」と胸を張った。

 熊本市内の学校から約15キロに位置する練習場には大量のハエが発生する。「部室でご飯を食べるときはコンビニに逃げます。ハエ取り紙も1日でびっしり。ちょっと大きくて強い。かまれて赤くなった人もいるって聞きました」(西村主将)。しつこくたかるハエは訪れる練習試合の相手の間でも有名になり、いつしか“国府バエ”と呼ばれた。そして、粘り強さが身上のサッカー部の代名詞にもなった。

 夏の鹿児島合宿ではゴール前で佐藤監督が放つシュートを体で止める練習をした。みぞおちに入ったり、鼻血を出したりしながらも練習は続いた。この日はシュート数6―14。ボール保持では圧倒されながらもハエのように包囲し、最後は体を張って枠外にはじき出し勝利をたぐり寄せた。目指すのは15年前の8強を超える4強入り。「次も絶対に勝ちます」と大槻。国府バエの進軍は止まらない。

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