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ザックJ W杯事前キャンプ地 暑さ対策優先で北米浮上

[ 2013年12月20日 05:30 ]

日本のベースキャンプ地に決まったイトゥのグラウンド

 来年6月開幕のW杯ブラジル大会に出場する日本代表が、北米で事前キャンプを実施する可能性が急浮上した。複数の関係者が明らかにした。ブラジル国内のベースキャンプ地はサンパウロ近郊のイトゥに決定し、日本サッカー協会は19日に発表した。イトゥは環境面の充実が選定理由となったが、事前キャンプ地は高温多湿の会場で行われる1次リーグの暑熱対策が最優先となる。

 ザックジャパンが北米大陸から決戦の地ブラジルに乗り込む可能性が出てきた。W杯1次リーグの会場は高温多湿のレシフェ(コートジボワール戦)、ナタル(ギリシャ戦)、さらにサバンナ気候のクイアバ(コロンビア戦)と続く。事前キャンプ地の選定を進めるザッケローニ監督は都内で取材に応じ「今、オーガナイズしている。暑さに慣れるトレーニングが必要」と最大の条件が「暑熱対策」であることを明かした。

 これまではW杯出場国と強化試合が組みやすい欧州を最優先に考えてきた。だが、今月6日のW杯組み合わせ抽選で1次リーグ開催地がいずれも酷暑エリアに決まったため、軌道修正。原専務理事は「暑熱対策の方が優先順位が高い。北米も考える」と選択肢を広げたことを認めている。関係者によれば、欧州の調査も継続していくものの、ここにきて北米プランが現実味を帯びてきた。

 北米キャンプの利点は気候が似ている土地が多く時差も少ないということ。特にマイアミを中心としたフロリダは5月が雨期に当たるため湿度が高く、平均最高気温は30度で、レシフェ、ナタルに酷似している。ブラジルとの時差も1~2時間で、サンパウロへの直行便(約8時間)もある。強化試合のマッチメークも、他に北米キャンプを実施するW杯出場国が出てくれば解決される。
 
 一方、日本協会はこの日、大会中のベースキャンプ地がイトゥに決定したと発表。こちらは暑熱対策よりも「快適さ」を重視している。「東京ドームが何個も入る」(原専務理事)という広大な敷地には2面の天然芝ピッチがあり、プールやジムなども備える。建設中の宿泊施設はバスタブ完備で、W杯期間中は日本代表がほぼ借り切り状態にできるという。最寄りの空港までは車で30~40分とアクセスも抜群だ。

 W杯組み合わせ抽選会前の今月5日に施設を視察したザッケローニ監督も「良い準備、トレーニングができる全てがそろっている。食事もおいしい。街の喧噪(けんそう)からも離れ、リラックスできる。時間があれば家族を招けるスペースもある」とほれ込んでいる。近郊ではギリシャ、ドイツ、ロシアもキャンプ予定で、練習試合を組むのにも最適だ。

 北米キャンプで暑熱対策を施し、快適空間のイトゥへ。これがザックジャパンのW杯必勝方程式となる。

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2013年12月20日のニュース