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オシム氏 本田は「老獪な狼」 ボランチ今野も面白い

[ 2013年11月26日 09:25 ]

後半、フェライニ(左)と競り合う今野
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 来年6月12日に開幕するW杯ブラジル大会は出場32チームが決まり、12月6日(日本時間7日未明)には1次リーグの組み合わせ抽選が行われる。開幕まで残り7カ月、日本代表はこれから強化の最終段階に入る。元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(72)は、優勝候補のオランダに2―2と引き分け、FIFAランク5位のベルギーに3―2で勝った欧州遠征をテーマに熱く語った。

 ≪選手評価≫個々の選手で、本田はチームのためにプレーをするようになった。だからチームメートも、彼の良さを引き出そうとする。そこが最も変わったところだ。老獪(ろうかい)な狼のようで抜け目なく守れるうえに得点も決めることができる。この2試合でも、決めるべきところで確実に得点を決めた。そのうえ相手を恐れない。もう少しリスペクトすることを学ぶべきだが、時間がたてば変わってくるだろう。

 例えばマンチェスターUが、ロイ・キーン(元アイルランド代表)の後継者として彼を獲得しても、私は決して驚かない。一つのアイデアとして今野をボランチに起用するのが面白いかもしれない。今回の遠征では山口という若いボランチが世界にデビューしたが、今日のサッカーではボランチの果たす役割がとても重要だ。ヤヤ・トゥーレ(マンチェスターC=コートジボワール代表)やかつてのパトリック・ビエラ(元フランス代表)、今ならポール・ポグバ(ユベントス=フランス代表)といった屈強で技術も高くスピードはさほどなくても運動量が豊富で何でもできるボランチが世界的に求められている。

 本田や今野には、そうした役割が期待できる。また長谷部もフィジカルが強く、攻撃参加もするし必要に応じてテクニカルなファウルも犯せる。彼らをうまく遠藤と組み合わせれば、中盤はさらに魅力的になる。

 ただ、長友は少し(攻撃的に)走りすぎるきらいがある。中盤が彼の境界線だ。今日のサッカーでは、フィジカルな中盤の戦いが勝負のポイントになってきている。

 日本のサッカーはいい方向に向かって進歩している。若い選手たちが、欧州のクラブにどんどん移籍し、欧州のクラブの注目を集めている。戦闘能力にたけ、十分に走ることができる。走れるかどうかはとても重要だ。今日のサッカーは、運動能力への依存をさらに高めている。走れない選手は、プレーができないのと同じだ。しかも、日本人はそれなりのテクニックもある。何人かの選手は、クラブでチームメートに劣ることのないレベルのプレーを見せている。

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