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メッシ 今年5度目の太腿裏負傷…今夏の異常な多忙が原因?

[ 2013年11月26日 05:30 ]

今年5度目の太腿裏負傷で年内復帰が絶望的となったメッシ

 世界最高の選手がケガに苦しんでいる。バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(26)が10日のベティス戦で左太腿裏を負傷。全治6~8週間と診断されて、今年中の復帰は絶望的となった。両太腿裏のケガは今年に入ってから5回目。W杯ブラジル大会を来年に控える大事なシーズンに、同じ故障が連続で起こっている理由を探った。

 来年にブラジルで主役となるべきスターが、またもピッチから消えた。バルセロナのFWメッシが8月、9月に続いてW杯シーズン前半戦で3回目となる負傷離脱。「続けてケガをしたことは残念だが、心配はしていない。原因についてあれこれと言われているが、ケガは(誰にでも)起こるもの」と冷静に語ったが、天才ストライカーが抱える両足の“爆弾”が浮き彫りになった。

 昨季後半の2回を含め、今年6回のケガ全てが両太腿。うち5回が太腿の裏側にあたる二頭筋で、バルセロナで06年にデビューしてから主な負傷離脱18回(本紙調べ)のうち、半分の9回を占める“弁慶の泣き所”となっている。09年に「ケガを少なくしたい」とチームドクターに相談。主に食事療法による肉体改造でケガが減り、昨季まで4季連続のFIFAバロンドール(世界最優秀選手)の獲得につながった。しかし、今年は同じケガが激増。その原因としてスペインメディアで報じられているのは、今夏の異常な多忙ぶりだ。

 6月1日の昨季最終戦マラガ戦から8月18日の今季開幕戦レバンテ戦まで77日間のオフのうち、スペイン紙アスによるとメッシが休めたのはわずか2週間弱。64日間はアルゼンチン代表の3試合(6月7日W杯南米予選コロンビア戦、11日同エクアドル戦、14日親善試合グアテマラ戦)、個人の活動(慈善試合は6月29日メデジン、7月3日リマ、7月6日シカゴなど)、クラブ開幕前の活動(8月のアジアツアーなど)で世界14カ国を訪問。移動総距離は地球3周分に相当する12万キロ超で、疲労の蓄積につながったとみられている。

 スペイン紙プブリコは「疲労はハムストリング(太腿裏)の負傷リスクを高める。また再発もしやすい」という専門家の見方を紹介。メッシは「リハビリを行って、来年1月には再びピッチで活躍できるようにしたい」と復活への意気込みを語ったが、アルゼンチン代表のサベジャ監督は「同じ箇所を何度もケガをするのは気掛かりだ」と不安を隠さない。スター選手、人気クラブゆえの過密日程のつけが来た形。アルゼンチンのエースは負傷再発のリスクを抱えながら大事なW杯イヤーに臨むことになる。

≪バロンドール5年連続暗雲≫ 来年1月に発表される13年度のFIFAバロンドールで、メッシが5年連続の世界最優秀選手を獲得するのはケガのため難しいとみられている。先月に発表された候補23人には選出されたが、地元メディアでは昨季欧州CLなどドイツ初の3冠を達成し欧州最優秀選手に輝いたMFリベリ(バイエルンM)、今季スペイン1部、欧州CLで得点ランク1位と絶好調のC・ロナウド(Rマドリード)らが有力候補に挙がっている。

≪全故障数の半数“爆弾”≫ メッシが1週間以上離脱した主な負傷は18回(スポニチ本紙調べ)で、うち12回が両太腿。特にハムストリングと呼ばれる二頭筋(裏側)の故障が9回(右5回、左4回)と全体の半分を占めている。また、13年に入ってからの負傷6回のうち、5回が太腿裏となっている。

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2013年11月26日のニュース