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ザック監督「戦う姿勢見せろ」珍しく大声でイレブンにゲキ

[ 2013年11月14日 06:00 ]

練習で本田(左)に指示を出すザッケローニ監督

 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(60)がピリピリ感を漂わせた。ベルギー合宿初日の12日の練習前にミーティングを開き、大声を張り上げて精神論を展開。戦う姿勢を見せずにセルビア、ベラルーシに連敗した10月の欧州遠征の猛省を促した。練習は初日としては珍しく冒頭15分を除き非公開。強豪との連戦を前にチームに緊張感が漂った。

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 珍しく感情をあらわにした。合宿初日の12日、練習場への移動前にホテルの一室で開かれたミーティング。ザッケローニ監督が荒々しい声を上げた。「10月の欧州遠征は戦う姿勢が見えなかった。心身ともに戦うという基本を、もう一度、見つめ直せ!」。これまで合宿初日には前回の試合の良かった点、悪かった点を編集した映像を使用することが恒例だったが、今回は映像を使わずに戦術的な話もなし。遠藤が「メンタルに特化したミーティングだった」と説明すれば、吉田は「監督は、いつもに比べて厳しかった」と振り返った。

 直後に行われた練習も公開されたのは冒頭15分だけ。合宿初日の練習はコンディション調整に重点を置くため、通常は公開することが多いが、周囲の目をシャットアウトすることで集中できる環境を整えた。10月15日のベラルーシ戦では試合前日の公式練習まで公開する余裕を見せていたが、一転してピリピリムードとなった。

 10月の欧州遠征ではW杯出場権のないセルビア、ベラルーシに連敗。ザッケローニ監督は戦術を語る以前に覇気のない戦いぶりに不安を覚えた。16日に対戦するオランダはW杯欧州予選10試合で大量34得点を記録。ファンペルシー、スナイダーの主力2人が欠場するとはいえ、破壊力は抜群だ。19日の相手となるベルギーもFIFAランク5位の強豪で、日本は2戦連続で惨敗する可能性も十分にある。再び希望の見えない戦いで連敗すれば、求心力が一気に低下しかねない。

 指揮官の「結果より内容」の発言に一部選手が反論するなど微妙な“温度差”も生じていたが、闘争心がなければ結果も内容もついてくるはずがない。精神面の重要性を説き、もう一度同じ方向を向かせる狙いもあったとみられる。10年10月の初陣から3年。イタリア人指揮官は、かつてない危機感とともに采配を振ることになる。

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