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宇佐美 悔しかった独の2年間…ガンバに帰ってきて良かった

[ 2013年11月4日 10:05 ]

<G大阪・熊本>「ワニナレナニワ」の中に加えてもらえず輪の外を走る宇佐美(中央)

J2第39節 G大阪4―0熊本

(11月3日 万博)
 【宇佐美貴史独占手記】昇格の手助けをできたことを誇りに思います。ガンバに帰ってきて本当に良かった。再デビューの神戸戦(7月20日)。実は、メッチャ緊張していた。朝起きたら肩がすごく凝ってて、試合前には気持ち悪くなったりもした。こんなのはサッカーをやってて、初めてだった。でも万博のピッチに立つと、懐かしくて、嬉しくて、居心地が良くて。2点取って勝てたし楽しかった。それからは普段通りやれたかな。ただ、昇格は決めたけど、まだ優勝という目標がある。両方成し遂げるために戻ってきたんでね。

 去年の降格はショックやった。1週間くらいは引きずってた。ドイツにいた自分も結果が出せずにいて、ガンバと同じように崩れ切った状況やった。でも、やるべきことは分かってたし、帰るつもりはなかった。ドイツで話ももらったけど自分の思いとのギャップも感じた。そんなときガンバが声を掛けてくれた。長谷川監督が一緒にやりたいと言ってくれているとも聞いた。育ててくれた愛着あるクラブで求められている状況でプレーできる。その思いが決め手になった。自分で下した決断。嫁(蘭夫人)にはワガママに付き合わせてしまって申し訳なかったけど、感謝しています。

 帰ることに否定的な声もあるとは思ってた。それでも、他人の言葉で選択が間違っていたと思わされる筋合いもないし、結果を残すことだけ考えた。自分次第で批判を賛辞に変えられる。それがサッカー選手という職業だとも思っていたから。

 ドイツでの2年間が良かったとは思わないし、到底思えない。結果を出しても使ってもらえず、悔しかったし、つらかった。ただ、サッカー観が変わった。バイエルンでチームメートだったリベリー(フランス代表)はスタメンが確立されてるのに練習で一番アピールしてた。「エゴイストになれ」と言われたのは忘れていない。ドイツに行くまでは、前の試合でアピールできたから次の試合もでれるやろってフワッと練習していたこともあった。でも今はない。試合で一番になれる選手は、練習から常に一番でいられる選手やから。

 J1復帰はサポーターの皆さんのおかげ。ありがとうございました。来季は2ケタ得点を取り、ACL出場権やタイトルを獲得したい。それが恩返しにもなると思う。

 今季はFWをやらせてもらったけど、もっと点を取りたい。来年はW杯もある。可能性は0に近いかもしれないけど、メチャメチャ行きたい。夢でもあるし。ただ、代表に呼ばれるために良いプレーをする訳でも、W杯に行くために点を取る訳でもない。すべてはチームのため。その先に国を背負って戦うということが自然と見えるはず。

 最後に。ガンバが残留争いする姿は、もう絶対に見せてはいけない。自分も小さい頃からサポーターだったから悔しさは分かるつもり。再び海外挑戦をという思いもあるけど、自分が中心になってガンバの新時代を築いていければと思っています。(G大阪FW)

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2013年11月4日のニュース