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原口  自身初の2桁ゴールに到達!浦和2位浮上

[ 2013年10月20日 06:00 ]

<鹿島・浦和>この日ゴールを決めた原口は試合終了の瞬間、こん身のガッツポーズを見せる

J1第29節 浦和2―1鹿島

(10月19日 カシマ)
 胸のエンブレムを誇らしげに叩きながら、真っすぐサポーターの方へ走っていった。1―0の後半26分。浦和が優勝戦線に残る一撃を決めたのは原口だった。左サイドから相手ゴールに向かって切れ込み、DFをかわして右足でシュート。ボールはGKの手をかすめて、ニアサイドに突き刺さった。

 2試合連発で自身初の2桁得点に到達。「こういう大事な試合で、大事な得点を取れたのは成長の証かなと思う。一つ自分の殻を破れた」と素直に喜んだ。18日に56度目の誕生日を迎え、選手からかばんとストールをプレゼントされたペトロヴィッチ監督も「勝ち点3が一番のプレゼント」と孝行息子を褒め称えた。

 忘れられない記憶が得点を“後押し”してくれた。03年11月3日に雨の中で行われたナビスコ杯決勝・鹿島戦。元日本代表FW田中達也(現新潟)がクラブ初タイトルを決定付けたドリブルからのシュート。原口は仕掛けながら「打つ瞬間に達也さんの得点が思い浮かんだ」という。クラブ史を飾ったシーンは当時12歳だった原口少年の心を揺さぶり、今も色あせてはいない。10年の時を経て同じ相手、同じ天候、そして同じ位置からシュートを決めてみせた。

 2位に浮上し「ここまで来たらタイトルを獲りたい」と早くも残り5試合に視線を向けた。チームの象徴的な存在だった大先輩をほうふつさせる今季10得点目は、自らが7年ぶりのリーグ優勝にチームを導くという強い意志の表れでもあった。

 当然、日本代表復帰への期待も高まる。「もっと質を上げなきゃ」と謙遜するが、ザッケローニ監督の観戦試合でアピールにも成功。11月の欧州遠征での日本代表復帰に関しては答えをはぐらかしたが“殻を破った”原口が、ザックジャパンの閉塞(へいそく)感を破る救世主になる可能性は十分にある。

 ≪浦和 鹿島とのリーグ戦7戦負けなし≫浦和がアウェーで鹿島に勝利。これで鹿島とのリーグ戦は10年の21節(8月28日)から△△△○○○○と4連勝で7戦負けなしと強い。鹿島は今季ホームでのリーグ戦は11勝2分けの負けなしだったが敗戦。昨季の30節(10月27日)の清水戦に敗れてから続いていたホーム不敗は、15戦(13勝2分け)でストップ。

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