×

ボスニア・ヘルツェゴビナ  初のW杯出場!オシム氏も涙

[ 2013年10月17日 06:00 ]

初のW杯出場を決め、喜ぶボスニア・ヘルツェゴビナのベゴビッチ

 W杯欧州予選は15日に各地で最終戦の26試合が行われ、ボスニア・ヘルツェゴビナは敵地でリトアニアを1―0で下しG組1位が確定。旧ユーゴスラビアから独立し、内戦や民族対立を乗り越えて初のW杯出場を決めた。W杯連覇を狙うI組スペイン、H組イングランド、F組ロシアも1位で本大会出場決定。2位のうちクロアチア、スウェーデン、ルーマニア、アイスランド、ポルトガル、ギリシャ、ウクライナ、フランスがプレーオフに進出し、11月15、19日にホーム&アウェー方式で最後の4枠を争う。

【2014年W杯ブラジル大会予選 W杯出場チーム】

 5度目の挑戦でボスニア・ヘルツェゴビナが悲願のW杯切符をつかんだ。歓喜に揺れたスタジアムには、うれし涙を流す元日本代表監督のオシム氏の姿があった。旧ユーゴスラビアで最後の代表監督を務めた同氏は、母国の初出場の意義を「日本がW杯で優勝する以上のものだ。国内の多くの問題が解決できる」と説明。内戦、民族対立などの苦難を乗り越え、民族に関係なく抱き合って喜ぶ人々に目を細めていた。

 92~95年の内戦は選手にも影響を与えた。後半23分に決勝点を決めたFWイビセビッチは、92年に疎開生活を経験。スイス亡命を経て米国に移住した苦労人は、ピッチで結果が出ない時は「人生で戦争ほどつらいものはない。サッカーなんて大したことはないよ」と自らを奮い立たせるという。

 92年の独立後もボスニア人、セルビア人、クロアチア人が対立。サッカー連盟にも各民族代表の3会長が並立し、11年にUEFAから資格停止処分を受けた。その際、オシム氏は正常化委員の一人として問題解決に尽力した。前回大会予選はプレーオフでポルトガルに敗れた。今回は勝ち点25で並んだギリシャを得失点差で振り切り、スシッチ監督は「選手は全てを出し尽くしてくれた。そして、ついにやり遂げた」と喜びに浸った。

続きを表示

2013年10月17日のニュース