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本田 W杯へ危機感「アウェーで勝たないと」ザックジャパン初の2連続零敗

[ 2013年10月16日 06:00 ]

ベラルーシ戦の後半、激しいマークを受け転倒する本田(中央右)

国際親善試合 日本0-1ベラルーシ

(10月15日 ジョジナ)
 ザックジャパンに暗雲が漂った。日本代表はアウェーでベラルーシ代表と対戦。W杯出場経験のない格下チーム相手に0―1で敗れ、ザックジャパン初の2試合連続の零敗となった。序盤の決定機を逃すと、前半44分に失点し、その後は停滞ムード。エース本田圭佑(27=CSKAモスクワ)は試合後、アルベルト・ザッケローニ監督(60)と話し合いを持つなど危機感をあらわにした。
【試合結果 日本代表メンバー 日程&結果】

 気温11度の寒空の下、厳しい現実を突きつけられた。本田は試合終了の笛を聞くと膝に手をついた。11日のセルビア戦に続き、この日はFIFAランキング80位の格下に敗北。2試合連続零敗はザックジャパン発足後初の屈辱で、来年のブラジルW杯へ向けて不安を残す連敗となった。

 試合後は通訳を交えてザッケローニ監督と10分間の意見交換。すぐに飛行機に乗ってロシアに戻る予定となっていたが、時間が押す中でも真剣な表情で意見をぶつけ合った。だが取材エリアではショックを隠すように努めて平静を装い、今回の東欧遠征では初めて公の場で口を開いた。

 「勝てなかったということがあえて言うならば収穫。日本でガーナに勝ったみたいにセルビア、ベラルーシ相手に日本で勝っても意味はない。アウェーで勝つというステップアップをしないといけなかったけど、それができずに残念です」

 ザックジャパン発足後11敗目となったが、うち8敗がアウェー戦。“内弁慶”を克服することを最大のテーマに掲げていたことを明かした。前半4分には香川にスルーパスを通し、11分には岡崎へのパスでシュートシーンを演出。後半27分には高い位置からのプレスで自らボールを奪い、3人に囲まれながらも右足シュートを放った。言葉通り、敵地で勝利だけを見据えた。目標は達成できなかったが、それでも現時点での日本代表の立ち位置を再確認できたことを前向きに捉えた。

 また本田はチームの内幕も吐露。「各自が意見をぶつけ合っている。前回のW杯(10年南ア大会)ではスイス合宿でなった。今の段階で出ているのはポジティブ」と一度チームを壊してつくり直す作業中だという。理由は明白。「ブラジルW杯でさらに大きなものを披露するため」(本田)だ。

 「方向性は間違っていない。サッカーは決めるところを決めれば勝つ。決めなければ得点力不足と言われるシンプルなスポーツ。叩かれてブレることが一番ダメ」。周囲からは南アW杯時のような守備的戦術を促す声も出ている。大一番まで8カ月。残された時間は少なく、2試合連続無得点負けした東欧遠征の結果を見れば現実は厳しい。だが攻撃的姿勢は貫き通す。それが本田の意地だ。

 ≪2年ぶり2度目の2戦連続無得点≫11日のセルビア戦に続いて無得点。ザックジャパンの2試合連続無得点は11年6月のキリン杯(△0―0ペルー、△0―0チェコ)以来、2年ぶり2度目のこと。
 ○…ザックジャパンの今季通算成績は7勝2分け8敗、勝率・467となった。過去のW杯前年のAマッチ成績を見ると
 年 試 勝―分―敗
 97 22 11―7―4
 01 13 6―3―4
 05 20 11―3―6
 09 17 11―3―3
と勝率5割を切ったことはない。今季はあと2試合(予定)。5割を超えるには連勝しかない。
 ○…これまでザックジャパンが敗れた相手のFIFAランク最下位(対戦当時)は124位の北朝鮮(11年11月15日・●0―1)、次いで90位のヨルダン(13年3月26日・●1―2)。最新ランク80位のベラルーシは敗戦チームとしては3番目の低ランクとなった。

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