広島　連覇へ２差接近！寿人ビューティフル１７号

＜鳥栖・広島＞前半２３分、先制ゴールを決める広島・佐藤

Ｊ１第２７節 広島２―０鳥栖

（9月28日 ベアスタ）
　美しいゴールが、勝利につながった。広島は前半２３分、佐藤がペナルティーエリア左手前へ、流れながらロングパスを受ける。難しく弾む球を、左足で振り切る。ＧＫは反応できなかった。ボールは柔らかな弧を描き、ネットを揺らした。

　ストライカーは「自分の前に味方はいない。ゴールに直結するのが一番」と胸を張った。少年時代に見た、カズ（現Ｊ２横浜ＦＣ）がＷ杯予選で放ったシュートに憧れ、何度も練習してきた形という。「ゴールも勝ったこともうれしい。でも、優勝争いを勝ち抜くためにはもっとクオリティーを上げないと」。エースの目は、優勝だけを見据える。

　この先制点を守りきるべく、守備陣も鳥栖の猛攻をしのいだ。そして後半４２分、佐藤と交代で出場した１９歳の野津田が、値千金のＰＫを決めた。

　緊張する場面で若手がＰＫを蹴るとは、森保監督も考えていなかったという。だが「それもサンフレッチェの強さ。プレッシャーのかかる時に先輩たちが経験をさせてくれる」と喜んだ。首位とは勝ち点２差。大黒柱がけん引し、底上げも進む。２連覇へ、王者がギアを一段上げた。