１９歳なでしこ美南　ノリさん期待にうれし泣き

なでしこ佐々木監督から期待される田中美南

国際親善試合 日本―ナイジェリア

（9月26日 フクアリ）
　なでしこジャパンは２６日、親善試合でナイジェリアと対戦する。２５日は試合会場の千葉県フクダ電子アリーナで前日練習を行い、３月のアルガルベ杯以来半年ぶりに招集された田中美南（みな、１９＝日テレ）が悲壮な決意を見せた。１０代のＦＷとして２０年の東京五輪でも中核を担うストライカー。将来の大きな期待を背負い年内最後の代表戦に臨む。

　頬に一筋の涙が流れ落ちた。前日練習を終えたミックスゾーン。田中は胸の底からこみ上げる感情を抑えることができなかった。練習前の会見で佐々木監督がこう発言していた。「Ｕ―１９の中でも（フル）代表に一番近い選手だと感じている。彼女には頑張ってほしい」。それを伝えられ、人目もはばからず号泣した。

　うれしかった。アルガルベ杯のドイツ戦で代表初得点を決めたが、その後の欧州遠征、東アジア杯には招集されなかった。所属する日テレでは先発落ちし、今回の千葉合宿でもサブ組に回された。「自分のできないことが多すぎて…」。大儀見、川澄ら先輩ＦＷのプレーを間近で見て自身の実力のなさを痛感した。それでも、指揮官の一言に「期待に応えたい」と前を向いた。

　ナイジェリア戦では途中出場の可能性が高いが「出たら味方のためにスペースを空けたりしたい」と献身的なプレーを誓った。７年後の母国五輪に向け「なでしこがまだ獲ってない金メダルが夢」と胸を躍らせる。その夢舞台に立つためにも涙の決意を無駄にはできない。