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攻撃的戦術か守備的戦術か…W杯本大会へ決断の時は来た

[ 2013年8月15日 08:55 ]

<日本・ウルグアイ>先制ゴールを許しぼう然とする吉田、GK・川島、今野(左から)ら日本DF陣(右端は喜ぶスアレスとフォルラン)

国際親善試合キリン・チャレンジカップ 日本2―4ウルグアイ

(8月14日 宮城スタジアム)
 前半27分の失点には日本の守備の課題が凝縮している。起点はスアレスに出た縦パス。スアレスをマークしていた吉田は簡単にかわされ、体に触れることすらできず振り切られた。カバーした今野が滑り込んだが、スアレスは難なく中央に折り返した。酒井高のタックルも及ばず、フォルランに押し込まれた。

 ザックジャパンはDFを高く保ち、全体で高い位置から相手にプレッシャーをかけてボールを奪い攻撃につなげる戦い方でアジアを勝ち抜いた。その高いDFラインの背後のスペースを突かれた失点だった。

 もしDFラインを破られても、アジアレベルのFWなら対応できた。スピードで追いつけなくても、プレッシャーをかければミスをしてくれた。しかし、世界レベルのFWは身体能力で勝る上にミスをしない。この1点で流れは決まった。

 スアレスはポジショニングが巧みで、動きだしが速い。背後のスペースを使われる恐怖心が芽生え、DFラインはずるずると下がり始めた。ラインがそろわなくなり、そのギャップを狙われて相手のカウンターを浴びる悪循環に陥った。前線のプレスも機能しなくなりボールも奪えなくなった。ブラジルなど強豪相手に失点を重ねたコンフェデ杯と同じ症状だった。

 02年日韓大会で1次リーグを突破したトルシエジャパン、10年南アフリカ大会でベスト16に進んだ岡田ジャパンは攻撃的なチームづくりを進めながら強豪相手に惨敗したことをきっかけに守備的な戦術に方針転換した。これまでの守り方でW杯本大会に臨むのか、戦術を変えるのか。真剣に考える時期に来ている。

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2013年8月15日のニュース