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本田、移籍へ W杯へ 現在の心境を激白「一歩でも先に」

[ 2013年8月1日 08:45 ]

クールダウンを終え、鋭い眼光で引き揚げるCSKAモスクワの日本代表MF本田

 日本代表MF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)がスポニチ本紙の直撃取材に激白した。3戦全敗し、“格”の必要性を説いたコンフェデ杯から2カ月。ACミランへの移籍が注目を集める中、1年後のW杯を見据えた「今」を語った。

 真夏にもかかわらずモスクワは上着が必要なほど肌寒い。そんな中、本田はクラブハウス前の駐車場で熱く語った。コンフェデ杯後「自信の差がそのまま格になる」と強調。W杯までにどうすれば世界で戦うだけの“格”を手に入れられるのか。まずは東アジア杯から質問をぶつけてみた。

 ――東アジア杯は国内組で優勝した。

 「東アジア杯はあまり答えられない。試合を見てないし。ただ一つだけ言えるのは優勝は優勝。優勝したことはそれなりの評価を受けるべき。当然、限られたチャンスをモノにした人はいるわけやし、オレもそういうものをつかんでここまで来ている。そういう限られたチャンスをモノにできる人は限られている」

 ――4年前、本田もW杯の1年前から急激に岡田ジャパンでの序列を上げ、そして本大会ベスト16進出の立役者となった。一つの台頭が日本代表の格を上げる?

 「一つの組織というのは常に下からはい上がろうとするヤツがいて、上はそれに負けないように頑張ろうと思ってやる。上には上の責任があって、違うタスクがある。それが一つの組織であって、その議論が出てきている時点で問題。ごくごく当たり前のこと。いちいちクローズアップする必要はない。若手が出てこなアカンのは当たり前。じゃあ将来、誰がサッカーすんねんて話。Jでやっている選手が活躍して欧州に出て行く。そして代表の主力になっていく。そんなのは遅かれ早かれ必ず来るわけで、オレが言えるのは現在いる選手のこと、いる選手で戦うということだけ」

 若手待望論などが噴出する時点で“格上げ”にはほど遠いという。では「違うタスク」を持つ本田は現在モスクワでどんなトライをしているのか。今季公式戦4試合3得点。全ての試合で得点に絡んでいる。

 ――移籍問題も絡んで微妙な時期だが、CSKAでの今季を見ているとより中心になっている。

 「確かに微妙な時期で、でも今、雑音は気にしても自分がどうこうできるものではない。実際に契約が半年残っていてCSKAでプレーしている。そんな中、去年優勝(リーグとカップ戦の2冠)したことで今年は挑戦される側になっている。去年、ノープレッシャーの中で戦っているのとは違う。対戦相手の重圧は去年と違うのも感じる」

 ――それをはねのけている?

 「はねのけないといけないという気持ちで毎試合臨んでいるのは確か。違うリーグ、違うレベルでやっている選手がいて、意識するところはそういうところ。そこを意識すると自然とロシアでは負けられないという自覚につながっている。立ち止まっている時間はない。少しでも一歩でも先に行こうと、前を見続けていく自分は顕在していると自覚している」

 移籍が取り沙汰される状況でも本田は前に進むことだけを考えている。現時点でもできることはある。本田にとってそれはより高いリーグでの戦いを想定しながら目前の一戦に臨むことだった。

 ――その意識を代表選手だけではなく全ての人が持てれば、日本サッカー界の進歩になるし1年後の結果につながる?

 「それを11人レベルでやらなアカンのが難しい。例えば1人、2人だけが思っていても勝てなかったりする。11人レベルでやって融合して初めてチャンピオンを目指せると思う。とりあえずW杯までは1年。限られた時間しかなくて、どんな作業するかは今までとは異なってきて、余計なことをやっている時間はないのかもしれない。周りをあえて刺激してきたことはする必要がなくて、こっからはなるようにしかならない。新しい選手が出てくるのもそうやし。それでベストを尽くす。自分のことに集中してクラブで日々やっていく」

 仲間を突き放しているようで、実は信頼の裏返しなのだろう。本田は今回W杯優勝という言葉は使わなかった。だが言葉の一つ一つからは目標がブレていないことがうかがえる。チームのために――。今後の時間は4年前のように自らを押し上げることに集中する。

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