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横断幕、韓国内でも論争 日本サポの旭日旗を問題視も

[ 2013年7月30日 16:45 ]

サッカー東アジア杯男子の日韓戦で、試合開始直前に韓国応援団が広げた安重根(右)らの肖像を描いた巨大な幕

 28日のサッカー東アジア・カップ男子日韓戦で、韓国応援団が「歴史を忘れた民族に未来はない」と書かれた巨大な横断幕を掲げ日本を非難した問題は、韓国内でも賛否が分かれる論争になっている。

 30日の韓国スポーツ各紙は「サッカー場は政治的感情を表す場ではない」(スポーツ朝鮮)と、政治的主張を持ち込んだことへの批判が目立つ。一方、一般紙は韓国で「侵略の象徴」とされる旭日旗を試合開始前に日本のサポーターが振ったことが「挑発」(東亜日報)だとして日本批判を展開している。

 韓国の応援団「赤い悪魔」は試合開始直前、初代韓国統監の伊藤博文を暗殺した安重根らの肖像を描いた巨大な幕を数十秒間スタンドで開いた後、問題の横断幕を掲げた。

 韓国サッカー協会によると、赤い悪魔が横断幕を持ち込むとの情報を事前に得て自制を要請していたという。同協会は副会長らが現場で撤去を求めたが、後半開始直前まで撤去されなかった。赤い悪魔は撤去に抗議し後半の応援をボイコット。フェイスブックで、副会長が「横断幕は見苦しい」と言ったと非難している。

 応援をやめたことで、後半は日本のサポーターの声が目立ち「(東京の)国立競技場のようになった」(韓国紙)会場で日本が勝利。赤い悪魔の応援ボイコットにも批判が出ている。

 一方、旭日旗は今年4月、日韓のチームが戦った日本での試合で応援に登場し非難が出た先例があり、ネットなどでは「日本が先に仕掛けた」との反発が出ている。

 韓国サッカー協会は「赤い悪魔の行為も、旭日旗を使った応援も政治的な主張を禁じた国際サッカー連盟(FIFA)の規定に抵触する可能性がある」との立場だが「判断はFIFAが出し、われわれは抵触の可能性がある行為の当事者に自制を求めることしかできない」としている。(共同)

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